脳への『微弱電気刺激』で数学の成績が29%アップした - ナゾロジー

脳への『微弱電気刺激』で数学の成績が29%アップした
脳への『微弱電気刺激』で数学の成績が29%アップした 図は、「脳のネットワークの結びつき(前頭前野と頭頂葉間のつながりの強さ)」と、「数学の計算学習の成績」がどのように関係しているかを示しています。 この図でわかった重要なことは、もともと脳内で前頭前野と頭頂葉が強くつながっている人(脳の結合強度が高い人)は、特別な刺激がなくても計算問題の学習成績が良い傾向にあるということです。反対に、結びつきが弱い人(脳の結合強度が低い人)は、普通に勉強しただけでは成績が伸びにくく苦労してしまいます。 しかし興味深いことに、この「結びつきが弱い人たち」に脳への微弱な電気刺激(tRNS)を行ったところ、成績が大きく改善されました。特に前頭前野(dlPFC)に電気刺激を与えたグループでは、もともと脳の結びつきが弱くて苦手だった人が刺激によって、強い結びつきを持つ人と同じくらいの成績に追いつきました。一方、頭頂葉(PPC)に刺激を与えたグループや刺激なし(sham)のグループでは、こうした改善効果は見られませんでした。 つまり、この図は、数学の計算学習において脳の前頭前野と頭頂葉のつながりの強さが非常に重要であり、結びつきが弱い人でも、前頭前野に適切な刺激を与えることで、学習の苦手さを克服できる可能性を示した結果を直感的に伝えているのです。/Credit:Functional connectivity and GABAergic signaling modulate the enhancement effect of neurostimulation on mathematical learning

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