丁度いい「ひんやり感」を増幅させて脳に届ける仕組み - ナゾロジー

丁度いい「ひんやり感」を増幅させて脳に届ける仕組み
丁度いい「ひんやり感」を増幅させて脳に届ける仕組み 図は、「ひんやり感」を伝える神経細胞(Trhr⁺ニューロン)を特定し、その性質や反応を詳しく調べる実験の流れと結果を、順を追って示しています。まず、マウスの脊髄後角(SDH)にあるTrhr⁺ニューロンを光らせて可視化するために、特定の遺伝子に反応して蛍光タンパク質(eYFP)が発現するウイルスを注入し、Trhrを持つ細胞を見分けられるようにしました。その後、この光る細胞が本当にTrhrという遺伝子を持っているか、さらに他の性質(カルシウム結合タンパク質Calb1や興奮性神経の目印Vglut2を持つかどうか)を、RNAを直接染め分けて確認しています。図の緑はTrhrを持つ細胞、紫はCalb1、赤はVglut2を示し、それぞれがどのくらい重なっているかが分かります。 次に、これらのTrhr⁺ニューロンが温度や刺激にどう反応するかを調べるため、脊髄にカルシウムセンサー(jGCaMP7f)を発現させ、二光子顕微鏡で生きたままのマウスの神経活動を観察しました。マウスの後ろ足に4℃から50℃までの水やピンチ(つまみ刺激)を与えたとき、神経の活動がどのように変化するかをリアルタイムで記録しています。図には、安静時と15℃の水をかけたときの神経の映像、さらに刺激を与えた瞬間からの活動の変化が色の強弱(ヒートマップ)で示されています。最後に、複数の温度や刺激ごとに平均的な反応を重ねたグラフが示され、15℃前後の涼しい刺激に対して特に強く反応し、高温や強い冷たさ、物理的な痛み刺激とは異なる反応パターンを持つことが分かります。/Credit:A dedicated skin-to-brain circuit for cool sensation in mice

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