ツバの材料は植物から吸い取った水
アワフキムシは、カメムシ目アワフキムシ上科に属する小さな虫です。
大人でも体長2センチほどしかありません。
しかし身体能力は高く、70センチもの高さまでジャンプすることができます。
大人になると体表もしっかり丈夫になりますが、幼虫は体色が淡くて柔らかく、見た目にも弱々しい限りです。
アワフキムシは秋口に卵を産んで、春先に幼虫たちが孵化します。
幼虫のエサとなるのは、植物の中を流れる水分です。
植物が根っこから吸収した水は「道管」を通して運ばれますが、彼らはその道管をかじって水を飲んでいます。
この水こそがツバの材料となるのです。
幼虫は摂取した水を体内ですばやく処理し、自重の約280倍もの水性の排泄物をお尻から出します。
ですから、ツバというよりウンチといった方が正確かもしれません。
排泄を終えたら、彼らは腹部から界面活性剤を分泌し、水の表面張力を下げて泡を発生させます。
ここに空気を吹き込んだら、泡状のマユの完成です。
では、このマユにはどんな役割があるのでしょうか。