単細胞の遺産を“生殖用”に再配線 - ナゾロジー

単細胞の遺産を“生殖用”に再配線
単細胞の遺産を“生殖用”に再配線 この図は、「精子の中にはどれくらい古い部品と新しい部品が混ざっていて、それが精子のどの場所で使われているか、さらに不妊症とどう関係しているか」をまとめた図です。まず、A では「このタンパク質はどのくらい昔に生まれた遺伝子なのか」を年代ごとに分けて、精子の中で古いものと新しいものがどれくらいの割合かを見せています。これによって、精子が「超古い遺伝子」と「比較的新しい遺伝子」の両方から作られていることがわかります。B では、「遺伝子がゲノムに初めて現れた時期」と「精子で実際に使われ始めた時期」を比べています。対角線上の点は「生まれてすぐ精子に採用された遺伝子」、右にずれる点は「ゲノムには昔からあったけれど、精子で使われるようになったのはずっと後」という遺伝子を表し、「遺伝子の年齢」と「精子に参加したタイミング」が必ずしも同じではないことがわかります。C が一番わかりやすいところで、精子を頭・首・中片・尾の4つの部分に分けて、それぞれに多いタンパク質が「古い遺伝子由来なのか、新しい遺伝子由来なのか」を色の割合で示しています。結果として、尾に行くほど古いタンパク質が多く、頭に行くほど新しいタンパク質が多いという「頭から尾へ向かう進化のグラデーション」が見えます。さらに、男性不妊の原因として知られている遺伝子だけを抜き出して同じように見ると、そうした不妊関連遺伝子は古い層に特に偏っていることがわかります。最後の D では、「精子で特に強く働いている遺伝子ほど、進化のスピードも速い」という関係を散布図で示しています。その中で、精子コア(LUCS)に属し、なおかつ男性不妊の原因として知られる遺伝子が目立つように色付けされていて、「古くから守られてきた中核部品の一部が、精子の機能と不妊の両方に強く関わっている」ことが見えます。/Credit:The origins and molecular evolution of sperm

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