電子レンジの掃除はしている?
厚生労働省の資料(PDF)によると、腸管出血性大腸菌(O157など)は、食品を75℃で1分間以上加熱すれば死滅すると説明されています。
そのため電子レンジの加熱に用いられるマイクロ波(電波の一種)を照射することで、細菌を殺すことは確かに可能です。
このような「電子レンジで細菌を殺せる」という認識ゆえ、電子レンジの掃除を怠る人は少なくありません。
いつも食品を扱うキッチンはなるべく清潔に保つのに対し、電子レンジの中は「いつも加熱されているから別にいいか」と掃除していない人は多いでしょう。
しかし、ここには落とし穴があります。
厚生労働省の資料が述べているのは「特定の菌」に限ったことであり、さらに「食品をムラなく加熱する」という前提があります。
「電子レンジを使っているなら、すべての菌は死滅する」という考えは間違いなのです。
では、実際に電子レンジの中はどのような状態なのでしょうか。
今回、ポルカー氏ら研究チームは、各家庭にある一般的な家庭用電子レンジ10台、カフェテリアなどの共有スペース用電子レンジ10台、科学研究所にある実験用電子レンジ10台を対象に、電子レンジの中にどのような微生物が存在しているか調べました。