画像
※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
animals plants

500万年続く「史上最大のクジラ墓場」を発見ーー1200kmにわたり約500頭の死骸 (2/3)

2026.06.11 18:00:02 Thursday

前ページ深海底に広がっていた「クジラの死者の都市」

<

1

2

3

>

なぜクジラの骨は500万年以上も残ったのか

深海に沈んだ死骸は、普通なら長くは残りません。

肉は食べられ、骨も骨を食べる生物や化学的な作用によって、しだいに失われていきます。

では、なぜディアマンティナ断裂帯では、530万年前のクジラ化石まで残っていたのでしょうか。

その鍵の1つが、今回多く見つかった「アカボウクジラ類」にあります。

アカボウクジラ類は、外洋に暮らし、深く長く潜ることで知られるクジラの仲間です。

人間が観察しにくい場所で生活しているため、現在でも生態には分かっていない点が多くあります。

今回の化石の多くは、このアカボウクジラ類の頭骨、特に上顎からくちばしのように伸びる吻部(ふんぶ)でした。

【実際に発見された吻部の化石の画像がこちら

この部分は非常に密度が高く、鉱物成分も多い骨です。

そのため、深海に沈んだ後も腐食せずに長く残りやすかったと考えられます。

さらに、骨の表面に鉄マンガン酸化物が付着すると、骨はまるで天然の石棺に包まれたような状態になります。

これにより、骨の分解が抑えられ、数百万年単位で保存された可能性があるのです。

加えて、ディアマンティナ周辺は堆積物がたまりにくい場所でもあります。

通常、海底の古い骨は、泥や砂に埋もれて見えなくなります。

しかし、この場所では堆積速度が非常に遅いため、骨が長い間、海底に露出したまま残りやすかったと考えられます。

つまり、このクジラ墓場は、クジラの骨そのものの丈夫さと、深海の地形・堆積環境が重なって生まれた、きわめて特殊な化石アーカイブだったのです。

次ページクジラの死骸がつくる深海のレストラン

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!