男性側の閲覧に制限を設けると、マッチ成立率が72%向上する
今回の研究が対象にしたのは、インドで使われているオンライン結婚相手探しプラットフォームです。
これは、気軽な恋愛相手探しというより、結婚を前提とした相手探しの場であり、家族の関与や地域・言語・社会規範の影響を強く受けます。
こうしたサービスでは、男性ユーザーが女性ユーザーを大きく上回ることがあります。
論文では、男女比が男性60:女性40から、極端な場合には男性90:女性10にまで偏ると説明されています。
男性側は、少ない女性ユーザーをめぐって激しい競争にさらされます。
その結果、多くの男性は相手との相性を細かく考えるよりも、「とにかく多く送れば誰かが反応するかもしれない」という形で、たくさんの関心表明を送るようになります。
一見すると、女性は多くの候補を得られて有利に見えます。
しかし実際には、条件に合わない相手からの連絡も大量に届くため、女性はそれらを一つずつ確認し、選別しなければなりません。
つまり問題は「出会いが少ないこと」ではなく、「関係の薄い候補が多すぎること」でした。
そこで研究チームは、女性プロフィールをすべての男性に見せるのではなく、年齢・教育・収入という条件を満たす男性にだけ表示する仕組みを導入しました。
たとえば、年齢差が大きすぎる男性や、教育・収入の面で初期条件に合わない男性には、その女性のプロフィールが表示されにくくなります。
一方で、女性側はこの初期設定を自分で変更できるため、希望すれば表示条件を広げることもできました。
実験では、言語や文化のまとまりがある2つの州別サブドメインを比較し、一方にだけこの仕組みを導入しました。
そして、介入前後のユーザー行動を比べ、女性が受け取る関心表明の数、受け取った関心表明がマッチにつながる効率、女性が自分から送る関心表明の数を分析しました。
結果として、女性に届く関心表明は6%減りました。
しかし同時に、マッチにつながる効率は72%向上し、女性が自分から関心表明を送る行動も増えていました。
ではなぜ、連絡数が減ったのに、マッチングの成果はむしろ良くなったのでしょうか。
より詳細な結果は次項で見ていきます。




















































