「多く届く」よりも「選びやすい」ことが重要だった
この研究で重要なのは、女性に届く関心表明が減ったこと自体ではありません。
本当に注目すべきなのは、届く連絡が減ったにもかかわらず、マッチにつながる効率が上がった点です。
男性側の表示制限により、女性が最初に目を通す候補の質を整えたと考えられます。
その結果、女性は大量の連絡を処理するだけで手いっぱいになるのではなく、より関連性の高い相手に集中しやすくなりました。
実際、処置群の女性は、介入後に自分から送る関心表明を約75%増やしていました。
これは、女性が単に受け身で連絡を待つのではなく、自分の希望に合う相手を主体的に探しやすくなったことを示しています。
特に効果が大きかったのは、25歳を超える女性、高学歴の女性、収入が確認できる女性でした。
25歳超の女性では、マッチにつながる効率が103%向上し、自分から送る関心表明も113%増加しました。
こうした女性たちは結婚相手探しの場で注目を集めやすく、もともと大量の関心表明による選別負担を強く受けていたため、介入の効果も大きく出たのかもしれません。
また、男性ユーザーについても、主要な活動量やマッチング成果に大きな悪影響は見られませんでした。
研究チームは、条件に合わない相手への関心表明はもともとマッチにつながりにくかったため、男性側の実質的な機会は大きく減らなかった可能性があると考えています。
さらに、プラットフォームには多くの新規ユーザーが流入していたため、男性側の選択肢が大きく失われにくかったことも理由の一つとされています。
ただし、これらの結果はインドの結婚相手探しという文化的文脈に基づくものです。
日本のマッチングアプリや一般的な恋愛アプリに、そのまま同じ仕組みを当てはめられるとは限りません。
それでもこの研究は、マッチングサービスにおいて「選択肢を増やすこと」だけが正解ではないことを示しています。
大量の候補がユーザーを疲弊させるなら、必要なのは出会いを増やすことではなく、不要な出会いを減らす設計なのかもしれません。




















































