性的な喜びを得る「セルフプレジャー」とは?
今回の研究で重要なのは、研究者たちが「マスターベーション」ではなく、「セルフプレジャー(Self-pleasure)」という言葉を使っている点です。
一般には、両者は似た意味で使われることがあります。
しかし研究上は、マスターベーションは主に、オーガズムを目的とした性器への身体的刺激を指します。
一方、セルフプレジャーはそれより広い概念です。
性器への刺激ももちろん含みますが、それだけでなく、心の中で性的イメージを思い浮かべること、恋愛的・性的な読み物に触れること、視覚や聴覚の刺激を使うこと、あるいは性器以外の体に触れてリラックス感を得ることも含まれます。
つまり今回の研究は、「自慰行為でオーガズムに達したかどうか」だけを見たものではありません。
自分の体や感覚に意識を向け、安心感や心地よさを得る行為全体が、睡眠や感情とどう関係するのかを調べた研究なのです。
研究チームは、SNSなどを通じて成人参加者を募集し、最終的に301人の回答を分析しました。
参加者の年齢は18〜72歳で、平均年齢は約28歳でした。
調査では、セルフプレジャーの頻度や方法、就寝前に行うかどうか、睡眠の質、睡眠時間、眠りにつくまでの時間、夢の内容、さらに行為後や起床時の感情状態が尋ねられました。
その結果、参加者がよく用いる方法として多かったのは、自分の手で体に触れることや、頭の中で想像することでした。
そのほか、成人向け映像、音声コンテンツ、恋愛小説、補助具の使用なども報告されています。
研究で特に目を引くのは、寝つきに関する結果です。
参加者は、セルフプレジャーを行った夜には、行わなかった夜よりも早く眠りについたと報告しました。
中央値で見ると、セルフプレジャーを行った夜の入眠潜時は15分、行わなかった夜は25分でした。
平均的には、就寝前にセルフプレジャーを行った夜の方が、約9分早く眠りについたと推定されています。
また、睡眠の質についても、セルフプレジャーを行った夜の方が高く評価されていました。
睡眠時間もわずかに長く報告されましたが、その差は大きなものではありません。
そのため、「睡眠時間が劇的に増える」というより、「寝つきや主観的な睡眠の満足感と関連している」と見るのが正確です。
では、なぜこのような違いが生じるのでしょうか。




















































