カンムリクマタカが他種の卵を育てる「初の事例」か

舞台となったのは、南アフリカのダーバン北東部にあるジンバリ・エステートです。
ここではカンムリクマタカの繁殖行動を調べるため、地上約30メートルにある巣が遠隔カメラで観察されていました。
2025年7月、カンムリクマタカのつがいは巣材を運び、交尾を行うなど、繁殖の準備を進めていました。
ところがタカたちが巣を離れた隙に、エジプトガンが入り込み、2個の卵をタカの巣に産んだのです。

その後、巣へ戻ったメスのカンムリクマタカは卵を排除せず、自分が産んだ1個を加えた計3個を温め始めました。
これはカンムリクマタカで初めて確実に記録された、別種の卵を含む「異種混合卵群」の事例だと考えられています。
エジプトガンは必ずしも自分で巣を作らず、木の空洞や他の鳥の古巣を利用します。
ときには使用中の巣を強引に奪う「巣の乗っ取り」も行います。
今回もガンのつがいは近くに残り、タカが2羽とも不在になると巣へ戻りましたが、タカが帰ってくるとすぐに退避していました。
【カンムリクマタカがエジプトガンの卵を育てている実際の画像がこちら】
そのため、カッコウのように最初から育児を他種へ任せる典型的な托卵というより、巣を奪おうとした結果、タカがガンの卵まで抱く状況になったとみられます。
8月末になると、エジプトガンの卵は2個とも無事に孵化しました。
さらに、母タカはエジプトガンのヒナを自分の体の下に入れて温め、肉の餌を差し出したのです。
ところが、カンムリクマタカのヒナが巣で親から肉をもらって育つのに対し、エジプトガンは孵化直後から歩き、自分で食べ物を探す早成性の鳥です。
そのため、ガンのヒナたちは母ワシが差し出す肉を食べませんでした。
その中で、カンムリクマタカの母は異変に気づき始めました。
































