日本人視点での「魅力的な体型」とは?
女性の体型と魅力の関係を調べる研究では、これまで特にウエストとヒップのバランスに目を向ける人が多いと報告されて来ました。
代表的な指標が、ウエスト・ヒップ比(waist-to-hip ratio:WHR)です。
WHRは「ウエストの周囲径÷ヒップの周囲径」で求める数値で、小さいほどヒップに対してウエストが細い体型になります。
1990年代以降の研究では、WHRが0.7前後の女性体型が魅力的に評価されやすいという報告が多く、この傾向を人間に広く共通する好みとして説明する研究もありました。
しかし、研究チームは従来の実験方法にいくつかの問題があると考えました。
過去の研究では、線画や写真、3Dモデルの一部分を加工して体型を変える方法がよく使われています。
ところが、画像上でウエストやヒップの「横幅」を変えても、実際の人体の「周囲径」の比率が正確に再現されるとは限りません。
さらに一部分を細くすると、WHRだけでなく、体全体が痩せて見えるなど別の特徴まで変化する可能性があります。
もう一つの問題が、体型の民族差です。
日本人を対象とした研究でも、海外で開発されたソフトウェアを使って体型画像を作った例がありました。
骨格や体の各部位のバランスには集団による違いがあるため、日本人女性の魅力を調べるのであれば、日本人女性の実際の体型を反映した画像を使う必要があります。
そこで研究チームは、ワコールが保有していた20代日本人女性の身体計測データを使い、実際の体型をもとにしたシミュレーションモデルを作成しました。
研究ではWHRに加えて、ウエスト・バスト比(waist-to-bust ratio:WBR)も調べています。
WBRは「ウエストの周囲径÷バストの周囲径」で求める値で、小さいほどウエストに対してバストが相対的に大きくなります。
研究チームはWHRとWBRをそれぞれ0.6、0.7、0.8、0.9の4段階に設定し、組み合わせの異なる16種類の女性シルエットを作りました。
さらに、体全体の太さが評価に影響しにくいよう、今回はBMIが20以上22未満の体型に統一しています。
この16種類のシルエットを、日本在住の20~59歳の男性398人に提示しました。
参加者はそれぞれの体型について、「見た目としてどれほど魅力的か」と「性的にどれほど魅力的か」を6段階で評価しました。
シルエットを見せる順番もランダムに設定されています。
すると、WHRを変化させたときには統計的な差こそ確認されたものの、その差は非常に小さく、研究チームは実質的な影響はほとんどないと判断しました。
つまり今回の条件では、ウエストとヒップのバランスを変えても、日本男性が感じる魅力はほとんど変わらなかったのです。
一方、WBRでは明確な違いが現れました。
WBRが0.6~0.7の体型は高く評価され、0.8、0.9と数値が上がるにつれて、見た目の魅力も性的な魅力も低下しました。
つまり、日本人女性の実測データに基づいた体型を日本の成人男性が評価した今回の実験では、ウエストとヒップのバランスより、ウエストとバストのバランスの方が魅力評価を大きく左右していたのです。

































