Credit:OpenAI,ナゾロジー編集部
psychology

日本男性は尻派より胸派が多い―海外の好みとは逆の傾向 (2/2)

2026.08.15 17:00:00 Saturday

前ページ日本人視点での「魅力的な体型」とは?

<

1

2

>

なぜ日本では「尻」より「胸」のバランスが強く影響したのか?

今回の結果で特に興味深いのは、長く注目されてきたWHRの影響がほとんど見られなかったことです。

過去には、日本人を対象とした研究でもWHR 0.7の体型が魅力的だと評価された例があります。

しかし、その研究では海外製のソフトウェアで作った体型が使われていました。

研究チームは、こうした刺激が日本人女性の実際の体型を十分に反映していなかった可能性を指摘しています。

つまり、これまで「WHR 0.7が好まれる」と考えられてきた結果の一部には、評価する人の好みだけでなく、実験で使った体型画像の作り方も影響していた可能性があります。

また著者らは、魅力的と感じる体型が文化によって異なる可能性についても考察しています。

論文ではその一例として、臀部を大きくする美容整形が、米国やブラジルと比べて日本では少ないことを挙げています。

こうした違いが直接今回の結果を生んだと確認されたわけではありませんが、ヒップに対する価値観そのものが文化によって異なる可能性はあります。

一方で、WBRについても単純な説明はできません。

今回、高い評価を受けたWBR 0.6は、ウエストが65cmならバストが約108cmになる比率です。

著者らによると、このような体型の女性は日本では珍しいといいます。

つまり、男性たちは「身近でよく見る体型」をそのまま魅力的と評価していたわけではありません。

そこで著者らは、テレビや広告、フィクションなど、日常的に目にするメディア上の体型が魅力の基準に影響している可能性にも触れています。

海外の掲示板Redditでも、日本独自の傾向が示されたこの報告について「アニメの影響では?」「『ONE PIECE』の功績だ」という声が上がっています。

ただし今回の研究では、参加者が普段どのようなメディアを見ているかまでは調査していません

そのため、メディアがWBRへの好みを生み出したとまでは言えず、今後検証する必要のある仮説です。

また日本の傾向が海外と比較して独特であることは、ほぼ同時期に報告されたノルウェーの研究からも見て取れます。

この研究では、ノルウェー人男性395人を対象に、「パートナーを評価するとき、胸と尻をどの程度重要視するか」を5段階で尋ねており、調査結果は平均評価が胸3.37だったのに対し、尻は3.91で、尻の方が重要視されていたと報告しています

さらに潜在プロファイル分析では、53%が胸と尻の両方を強く重視し、18%には明確な「尻重視」のグループが見つかった一方、独立した「胸重視」のグループは見つからなかったという。

そのため、このノルウェーの研究者は、尻重視は分析方法を変えても繰り返し現れており、比較的安定した傾向だと評価しています。

こうした調査をバカバカしいと感じる人もいるかもしれません。しかし同時期に似た調査報告がされていることからもわかるように、これは心理学では長く研究されている問題です。

その理由は、こうした調査が「人間の好みがどこまで生物学的背景によるもので、どこからが文化的背景によるものなのか」という心理学の基本問題を扱えるためです。

今回の結果は、女性の体型に対する男性の好みが、生物学的な基準だけで一律に説明することの難しさを示していると言えます。

今回の研究チームも、民族ごとの体型の違いや文化的な価値観なども、魅力の判断に関わっている可能性があると考えています。

ただし、この研究で使われたのはBMI 20以上22未満に限定した若い日本人女性のシルエットです。

評価者も20~59歳の男性に限られており、女性が同じ体型をどう評価するかは今回の結果からは分かりません。

また、異なるBMIの体型でも同じ傾向が現れるかは、今後の検証が必要です。

人が女性の体型を「魅力的」と感じるとき、どこを見ているのか。

今回の研究は、その答えが単純な生物学的背景から生じるものではなく、その民族の体型や文化的背景によって変わる可能性を示す一例となっています。

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

0 / 1000

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

心理学のニュースpsychology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!