光をすべて反射する鏡が白くない理由
鏡とコピー用紙の見え方が大きく異なるのは、反射の種類が異なるからです。
鏡は「鏡面反射(または正反射)」であり、反射の法則にしたがって、一方に光が進んでいきます。
光が混ざり合うことがないため、入射した映像(光)は崩れることなく自分の目に届きます。
また「入射角=反射角」なので、鏡を見る角度によって見える映像が異なるでしょう。
対してコピー用紙は、「乱反射(または拡散反射)」です。
これは入射した光が一定の方向だけでなく、あらゆる方向に反射する現象です。
この場合、入射した映像(光)がそのまま目に届くことはありません。
すべての波長が混ざって目に届くため、私たちには白色と認識されるのです。
また「さまざまな方向に拡散する」ということは、「どの角度から見ても同じように白く見える」ということです。
こうなると、考え方によってはそもそも反射の性質が異なるので、鏡は「白色ではない」ということになります。
とはいえ「全反射」という性質を考えると、他の色にも当てはまりません。
そうなると、「無色」と呼ぶのが妥当なのでしょうか?
しかし現在のところ、入射光を100%反射する物体は確認されていません。
現実世界の鏡は素材自体が不完全なので、完全な全反射ではなく、それは白色でも無色でもないのです。
では、現実世界の鏡は何色とするのが妥当なのでしょうか?