ロボットにつかれると嫌な嘘とは?
データ分析の結果、参加者によって最も許容された嘘はタイプ1の「自分以外の何かについてつく嘘」でした。
ロボットがアルツハイマーの女性に亡くなっている夫が帰ってくると嘘をついたシナリオに対し、参加者の半数強である58%は「患者を不必要な苦痛から守るための優しさがある」として正当化しうると考えていたのです。
その一方で、タイプ2の「自分のしていることを隠す嘘」やタイプ3の「できるのにできないふりをする嘘」については共に許容できない嘘として、否定的に捉えられていました。
タイプ2のロボットが掃除しながら隠し撮りしているシナリオでは、参加者の23.6%は「来客の安全を守るセキュリティ目的のため」として正当しうると答えていましたが、残りの約8割は「撮影していることを別に隠す必要はない」として許容できないと回答していたのです。
またタイプ3のロボットが自身のコンディションを偽るシナリオについても、参加者の27.1%は「ロボットが嘘によって人と親近感を持とうとしており、コミュニケーション形成には役立つだろう」と正当化していますが、残りの7〜8割は「仕事を人に任せることで、ロボットが人を操作しているように見える」と否定的な回答をしています。
他方で興味深いことに、参加者の多く(80.1%)は「ロボットが許容できない嘘をつくことの責任は、ロボット自身ではなく、ロボットを開発したり所有している人にある」と考える傾向にありました。
これはロボットが自分のしていることを隠したり、できるのにできないふりをする原因は、そのように嘘をつくようプログラミングしたり設定した人に責任があると考えていたためでした。
ロボットと共生していくために
この研究は、ロボットが様々なタイプの嘘をつくことに関して人々がどのように反応するかを直接尋ねた初めてのものです。
これまでの研究では、ロボットが嘘をついていることがわかると、ロボットに対する人々の信頼は薄まることが示されています。
しかし今回の知見を踏まえると、ことはそれほど単純ではないことが予想されるでしょう。
ロボットがつく嘘の中にも人々とのコミュニケーションの促進につながり、逆に信頼度を高めるのにつながるものもあると考えられます。
大切なのはロボットにつかれると嫌な嘘と許容できる嘘を見極めることです。
ロボットが正しく嘘を使うことで、人間社会での共生関係もうまくいくかもしれません。
いや嘘の内容に差がありすぎ
人間でも同じ結果になるんでは