年輪では分からなかった「本当の年齢」
魚の年齢を調べる方法としてよく使われるのが、骨や鱗などに刻まれた成長輪を数える方法です。
ミズウミチョウザメでは、胸びれの棘(とげ)に形成される成長輪が年齢推定に使われてきました。

しかし、ここには問題があります。
魚が高齢になるほど成長そのものが遅くなり、成長輪同士の間隔も狭くなるため、古い成長輪を正確に読み取ることが難しくなるのです。
そのため研究者たちは、従来の方法では特に高齢個体の年齢を過小評価している可能性があると考えました。
そこでチームは、成長輪を数える代わりに、実際の魚が何十年の間にどれだけ成長したのかを見る方法を採用しました。
対象となったのは、五大湖水系に生息する5つの個体群です。
研究者らは、過去数十年にわたり標識を付けて放流され、その後ふたたび捕獲されたミズウミチョウザメの記録を解析。
成長解析には合計5007個体が用いられ、同じ個体を再測定した期間は最長42年に及びました。
その結果、成熟後の年間成長量は性別や個体群によって平均約0.26~1.15センチと、非常に遅いことが分かりました。
中には、1990年に117センチだったオスが、34年後の2024年にも124センチにしかなっていない例もありました。
つまり、大型のミズウミチョウザメが現在の体長に達するまでには、これまで想定されていた以上に長い時間が必要だった可能性があるのです。

































