画像
Credit: canva
animals plants

【おめでたい】160年越しに日本の「アカエイ」の新種を発見

2026.01.05 07:00:18 Monday

新年からおめでたい研究報告です。

日本の沿岸で「最も身近なエイ」と言われてきたアカエイ。

長崎大学の研究で、私たちがアカエイだと思ってきた存在において、実は複数の種が同じ名前で混同され続けてきたことが突き止められました。

しかも、これは160年越しの解決だとのことです。

研究の詳細は2025年12月19日付で科学雑誌『Ichthyological Research』に掲載されています。

160年越しの新発見 日本で最も身近なエイ『アカエイ』が複数種であることを解明し、新種を記載 https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science428.html
Redescription of Hemitrygon akajei with description of the cryptic stingray species Hemitrygon ariakensis sp. nov. from the Northwest Pacific (Myliobatoidei: Dasyatidae) https://doi.org/10.1007/s10228-025-01048-5

なぜ「160年」も気づけなかったのか

画像
日本沿岸で普通に見られるアカエイ/ Credit: 長崎大学(2025)

アカエイは1841年、江戸時代にシーボルトらが日本各地で採集し、オランダ王立博物館(現在のNaturalis自然史博物館)に送られた標本に基づいて、ヨハネス・ミュラーとヤーコプ・ヘンレによって新種として記載されました。

当時の標本は、いずれも非常によく似ており、疑いもなく同じ種として扱われてきました。

ここに、長い混乱の出発点がありました。

その後、時代が進み、長崎大学の研究によって、有明海には見分けが難しいほど姿形が似た複数種のアカエイ属魚類がいることが分かってきます。

さらに、ミュラーとヘンレの原記載の図を精査すると、私たちがイメージする「アカエイ」と異なる外観にも見え、「本当にHemitrygon akajei(アカエイ)なのか」という疑問が浮上しました。

問題はここからが厄介でした。

Naturalis自然史博物館には、1841年の記載に関わる模式標本が6個体あると考えられてきましたが、20世紀半ばにオランダの研究者ボーセマンの調査で、実際には別の標本1個体が加わった計7個体が存在すると判明し、これらが暫定的にHemitrygon akajeiとみなされました。

しかも、その中で学名の基準として後から指定された標本は、形態的特徴が十分に現れていない幼魚でした。

似ている上に、決め手が出にくい年齢の個体が「基準」になっていたわけです。

そこで研究チームは、アカエイ類(アカエイ、シロエイ、イズヒメエイなど)の幼魚を多数採集し、成長段階や雌雄差による変異も含めて比較検討を積み重ねました。

時間がかかったのは、単に標本を見比べただけではなく、「変化する体のどこが種の違いで、どこが成長や性差による揺らぎなのか」を丁寧にほどいていく必要があったからです。

次ページ複数の種が混在していた

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!