新種と判明した決め手と生息地の謎
新たに記載された種は「ユーグナソゴビウス・ガヌエンシス(Eugnathogobius ganuensis)」と命名されました。
種小名の「ganuensis」は、採集地であるトレンガヌ地域のローカルな呼称「ganu」に由来します。
このハゼは、頭部に感覚管を持たないことや体側の縞模様など、外見が既知のE. kabilia によく似ています。
しかし、雌雄ともに第1背びれが高く、特に雄では鰭条(きじょう、ひれのすじ)がよく伸びる点、雄の上顎が極端に大きくならない点、喉部や第2背びれが黄色味を帯びる点など、複数の安定した特徴によって明確に区別できることが示されました。
興味深いのは生息環境です。
採集地点は明らかに人工的な水路で、調査時の塩分は0‰でした。
一方で、この水路はトレンガヌ川とつながっており、潮汐の影響も受ける場所です。
研究チームは、この側溝は本来の生息地ではなく、河川感潮域上部の低塩分環境に本来の分布域がある可能性を指摘しています。
見過ごされた環境に、まだ未知の魚がいる
この研究は、新種発見が必ずしもジャングルや深海のような秘境に限られた話ではないことを示しています。
町の側溝のようなありふれた人工環境にも、まだ名前のついていない生物がひそんでいる可能性があるのです。
身近な環境を丁寧に調べることが、生物多様性の理解を大きく広げる。そんな研究者の視点を、この「ドブからお宝」の発見は教えてくれます。



























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