自律走行型の人型ロボットが人間の記録を破る
今回の大会には100を超えるチームが参加しました。
レースには、自分で周囲を見て走る「自律走行型」と、人の操作を受けながら走る「遠隔操作型」がありました。
その中で大きな注目を集めたのが、中国のテック企業Honorが開発した「Lightning(ライトニング)」です。
自律走行型のLightningは50分26秒で完走し、優勝しました。
人間のハーフマラソン世界記録は57分20秒なので、数字だけを見ればこの自律型Lightningは人間の記録を上回ったことになります。
ただし、ここで注意したい点があります。
今回の大会は通常の人間レースと同じ条件で公式記録を争った場ではありません。
自律型と遠隔操作型が混在し、途中でスタッフの補助が入る場面もありました。
それでも、この結果が衝撃的だったことは間違いありません。
なぜここまでの性能が出せたのでしょうか。
まず大きいのは、関節の力です。
Lightningには最大トルク400ニュートンメートルの関節モジュールが搭載されており、脚で地面を強く蹴り続けられるだけのパワーをもっていました。
短い距離を勢いで走るのではなく、21.1kmという長い距離を安定して走るには、この「足腰の強さ」が欠かせません。
もう1つ重要なのが熱への対策です。
ロボットは長く動くほどモーターが熱を持ちます。
熱がたまれば動きが鈍くなったり、故障しやすくなったりします。
Lightningには液体で熱を逃がす冷却システムが使われており、モーターの奥まで冷却の通り道を設けることで、高い負荷がかかっても熱がこもりにくいよう工夫されていました。
長距離を速く走るには、単にパワーがあるだけでなく、それを最後まで維持できる仕組みが必要だったわけです。
さらに今回は、脚力だけでなく「自分だけで走る力」も進歩していました。
今年はリモコンに頼らないチームが全体の約40%を占め、自己位置の把握、障害物回避、経路選択といった自律走行の力が大きく伸びていたとされます。
また、多くの自律走行チームは北斗衛星システムを使った高精度な位置情報や5G系の通信基盤も活用していたとされ、ロボット本体だけでなく、周囲のインフラもこの大会を支えていました。
ちなみに、この大会で注目を浴びたのは、「記録を破った」ことだけではありません。
面白い失敗もたくさんあり、それが観客を賑わせたのです。




























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