角のような形をした新種、ボルネオの森で発見
新種の大きな特徴は、名前の由来にもなった、はっきりした角のような構造です。
プレウロコルディセプス・コルヌシンネマタ(Pleurocordyceps cornusynnemata)の「コルヌ(cornu)」は角を意味し、「シンネマタ(synnemata)」は菌糸が束になって伸びる構造を指します。
この特徴的な姿により、既知のプレウロコルディセプス属の種とは区別されました。
またチームは、見た目だけでなくDNAの情報からも、この菌が新種であることを確かめています。
さらに研究者たちは、こうした菌類が将来的に抗菌薬の開発や、農業害虫を抑える生物的防除に役立つ可能性にも触れています。
ただし、今回の論文で薬効や害虫防除効果が実証されたわけではありません。
あくまで現時点で明らかになったのは、新種の分類学的な発見と、菌類同士の複雑な寄生関係です。
それでも、アリを操るゾンビ菌に、さらに別の菌が寄生するという事実は、自然界の関係が私たちの想像以上に入り組んでいることを教えてくれます。
【新種細菌が重複寄生したアリの画像がこちら。苦手な方は閲覧にご注意ください】
自然界には「操る者を操る者」がいる
ゾンビ菌は、昆虫を操る恐ろしい存在として知られてきました。
しかし今回の発見は、そのゾンビ菌でさえ、別の菌に利用される立場になりうることを示しています。
森の中では、捕食者と獲物だけでなく、寄生者とその寄生者が複雑なネットワークを作っています。
ボルネオの熱帯雨林で見つかった小さな菌類は、自然界には「操る者をさらに利用する者」が存在することを、静かに物語っているのです。

















































