撥水コーティングと回路層の印刷によって紙キーボードを作る
研究チームが作成したのは、映像にあるような紙に印刷されたキーボードです。
通常のキーボードと同じように印字された数字や文字を押すことで、対応した情報をコンピュータに送信・表示することができます。
この紙キーボードは「フッ素化された分子による紙のコーティング」と「回路層の印刷」によって作成されました。
最初にキーボードの数字や文字が印刷された通常の紙を用意し、ここに研究チームが新しく開発した特殊なコーティング加工を施します。
マルチネス氏によると「紙を高度にフッ素化された分子でコーティングすることで、水や油、ほこりに対する撥水性を持たせる方法を開発した」とのこと。
これだけでは単なる印字済みの耐水ペーパーなのですが、実はこのコーティングが紙キーボードを作成するのに必要な回路層の印刷を可能にしたのです。
次の段階として、紙全体にキーボードとして機能させるための回路を印刷して組み込みます。
この点に関してマルチネス氏は、「コーティングにより、インクをある層から次の層に染み込ませることなく、紙に何層もの回路を印刷できた」と述べています。