自分を許す
人は誰でも間違いを犯します。
しかし、男性はとくに自分の過去の過ちに対して厳しくなりがちです。
フィル・レイン氏によれば、彼のセラピーを受ける男性の多くは、「あのとき子どもに怒鳴らなければよかった」「パートナーを傷つけたことが忘れられない」といった後悔を、何年、時には何十年も引きずっているといいます。
このような自己批判は、うつ状態や怒り、不機嫌といった形で表面化し、自分だけでなく周囲の人間関係にも悪影響を与えます。
では、どうすれば自分を許すことができるのでしょうか?

レイン氏は「内なる子ども」の視点をもつよう提案しています。
もし、あなたのもとに小さな子どもが「ぼく、失敗しちゃった。ごめんなさい」と泣きながら来たとしたら、あなたはその子にどんな言葉をかけますか?
おそらく優しく受け止め、「大丈夫だよ、誰でも間違えることはあるよ」と言うでしょう。
そのような優しさを、自分自身にも向けてみるのです。
紙に過去の出来事とそのときの感情を書き出し、それを読みながら「当時は精一杯だった」と認める作業も効果的です。
自分を許してあげることは、甘えでも妥協でもありません。
それは過去の自分に責任を持ちつつ、今をよりよく生きるための第一歩なのです。