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psychology

戦争に「賛成or反対」は「自己愛の4タイプ」のどれかで決まる可能性

2025.06.27 12:00:59 Friday

「国のためなら戦うべきだ」と思う心理の裏には、自分を特別だと感じたい欲求が隠れているのかもしれません。

「戦争は時に必要だ」と考える人と、「平和を守りたい」と願う人。

この違いは、単なる政治的立場の違いではなく、深層心理の“性格特性”に関係している可能性があります。

ポーランドのステファン・ヴィシンスキ枢機卿大学(UKSW)の最新研究で、戦争への支持は、誇大的なナルシシズム(自己愛)傾向と強く結びついていることが明らかになりました。

研究の詳細は2025年3月31日付で学術誌『Personality and Individual Differences』に掲載されています。

Support for war is associated with narcissistic personality traits https://www.psypost.org/support-for-war-is-associated-with-narcissistic-personality-traits/
Falcons or pigeons? Grandiose narcissism, personal values, and attitudes toward war and peace https://doi.org/10.1016/j.paid.2025.113183

自己愛は4つのタイプに分かれる

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私たちが一般に「ナルシスト(またはナルシシスト)」と呼ぶ人物像には、実はさまざまな形があります。

今回の研究が注目したのは、いわゆる「誇大的自己愛(grandiose narcissism)」と呼ばれるタイプで、自信過剰で自分を過大評価し、称賛されたいという欲求が強い性格です。

ただし「ナルシシスト」と聞くと、何か「嫌なやつ」のように聞こえるかもしれませんが、ナルシシズム(=自己愛)の傾向は誰もが少なからず持っています。

問題なのは、どのような自己愛のタイプであるかという点です。

そしてこの誇大的自己愛は、以下の4つのタイプに分類されます。

・賞賛タイプ(Admiration):自分を特別な存在として賞賛されたい。名誉や地位への欲求が強い。

・対抗タイプ(Rivalry):他人を見下し、攻撃的に自分の優位を誇示する傾向がある。

・聖性タイプ(Sanctity):自分を道徳的に優れた存在だと信じている。

・英雄性タイプ(Heroism):自分を「守護者」や「救済者」として位置づけ、他者を守る使命感を強く抱く。

研究チームは、これらの自己愛タイプが、戦争や平和に対する態度にどう影響しているかを調査しました。

その結果、自己愛のタイプによって「戦争を是とする」か「平和を望む」かの傾向が明確に分かれることが示されたのです。

次ページ「戦争を支持する人」「平和に賛同する人」はどの自己愛タイプか?

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