「暗殺ティーポット」の中身はどうなってる?
暗殺者のティーポットは、一つで3種類の異なる飲み物を注ぎ分けることができます。
このように。
色の違いが、別々の飲み物であることを物語っていますね。
ただ、相手に毒を盛りたいのなら、同じ色のドリンクを用意しなければなりません。(もちろん、実践は禁物ですが)
なぜ同じポットで、異なる飲み物を注ぎ分けられるのか、とても不思議です。
注ぐ角度が重要なのか、暗殺者の訓練を積み重ねて初めて得られる技術が必要なのか。
いいえ、実はこのティーポットさえ使えば、誰でも簡単に暗殺者になれるのです。(もちろん、なってはいけませんが)
トリックはしごく簡単で、ティーポットの取手の上下に一つずつ穴が空いています。
下の画像に沿って説明しますと、取手の下の穴を押さえれば、青色のドリンクが出て、上の穴を押さえれば、黄色のドリンクが出ます。
どちらの穴も押さえなければ、緑色のドリンクが出ます。
ちなみに、両方の穴を押さえると、ドリンクは出てきません。
注ぎ分けの方法は分かったので、今度はポットの中がどうなっているのか、見てみましょう。
ポットを割ってみると、中は右と左の2つのコンパートメントに分かれています。
そのどちらも注ぎ口につながっており、加えて、左側のコンパートメントは取手の下の穴と、右側のコンパートメントは取手の上の穴とつながっています。
では、分かりやすいようにポットの中をすかした状態で見てみましょう。
下の穴を押さえると、青色のドリンクが出ているのが分かります。
黄色のドリンクは、先ほど説明したように、上の穴を押さえます。
そして、緑のドリンクはというと、どちらの穴も押さえないので、青と黄の両方が出てきて混ざり、緑色になっていたのです。
もし青色のドリンクに毒が仕込んであったとしたら、青と緑はアウト、黄色だけがセーフとなります。
これに少しアレンジを加えて、一方にコーヒーを、一方にホットミルクを入れておけば、コーヒー・ホットミルク・カフェオレの3種類が、一つのポットで注ぎ分けられます。
それでは、穴を押さえると、なぜドリンクは出てこなくなるのでしょうか。
これはちょっとした物理学のおかげです。
それを次に見ていきましょう。