自殺に追い込まれる3つの要因
今日、自殺は世界的な公衆衛生上の課題であり、世界中で毎年70万〜100万人が自ら命を落としています。
今回の調査対象国となった韓国は、2003年から2023年までの間、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高い自殺率を記録しており、人口10万人あたり24.1人の自殺者が報告されています。
また自殺率の増加傾向でいうと、日本も同じような状況にあります。
自殺を選択してしまう原因はいくつもありますが、これまでの研究で特に指摘されているのは「うつ病」や「不安症」などのメンタルヘルスの問題です。
こうした症状を持つと、気分の激しい落ち込み、自己肯定感や意欲の低下が起こり、自ら命を絶つという心理状態に追い込まれてしまいます。

それから「一人暮らし」も大きなリスク要因として指摘されてきました。
一人暮らしは、社会的孤立や精神疾患と関連することが多いです。
社会的孤立は、精神疾患、認知症、栄養不良、糖尿病、心血管疾患など、さまざまな健康上の悪影響と以前から関連づけられてきました。
また、孤独感や絶望感を強める要因となり、これらは自殺行動に至る心理的な前兆と考えられています。
特に先進諸国では、単身者の割合が年々増加しており、これが自殺率の増加とも関連しているとされています。
その一方で、一人暮らし・うつ病・不安症のそれぞれと自殺リスクの関連は知られていましたが、その3つが組み合わさった場合の影響は十分に研究されていませんでした。
研究チームはこの点を調査することにしました。