猫が抱いている愛情のサイン
ネコも人間と同様パーソナルスペースをもっており、信頼できない相手が近づくのを嫌います。
そのため飼い主が近づいたときに極端に嫌がったり逃げたりしなければ、ある程度の信頼関係が構築できていると言えます。
当然ながら、ネコの方から近づいてきたり、体をこすりつけたりしてくれるなら、それも警戒心を抱いていない証拠です。
2022年のカナダ・トレント大学(Trent University)に所属するローレン・フィンカ氏の論文では、「ネコは自分がよく知っていて心地よいと感じる人間に対して、自分の脇腹や頭をこすりつける」と報告されています。
これはネコにとって、匂いが重要なコミュニケーションツールだからです。
ネコはわき腹や頭、耳の周りに臭腺(強いにおいの液を分泌する腺)をもっており、それを擦り付けて同じ匂いを共有することで、社会的なグループや家族を識別しているのです。
さらに同じ論文では、私たちがよく知っているように、ゴロゴロと喉を鳴らしたり、こねるように足踏みしたりすることも安心と愛情の表れだと述べられています。
加えて、仰向けになって弱点のお腹を見せることも大きな愛情表現の1つです。
では、これまでに紹介してきたサインが確認できなかった場合、飼い主はネコから愛されていないことになるのでしょうか?
そうとも言い切れません。次項では、私たちが気づきにくいネコの愛情表現について解説します。