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health

睡眠時間が長すぎると、逆に「死亡リスクが高まる」と判明

2025.07.29 07:00:51 Tuesday

「もっと睡眠時間をとろう」といわれ続けてきた私たちにとって、今回の研究結果は驚きかもしれません。

ハンガリー・センメルヴェイス大学(Semmelweis University)の最新研究で、睡眠不足は確かに死亡リスクを増加させていたものの、それよりも睡眠時間が長すぎる方がより死亡リスクが高まっていたことが判明したのです。

では、何時間が長すぎる睡眠時間のラインとなるのでしょうか?

研究の詳細は2025年3月12日付で科学雑誌『GeroScience』に掲載されています。

Too little sleep is bad for your health, but too much could be worse https://www.theage.com.au/lifestyle/health-and-wellness/too-little-sleep-is-bad-for-your-health-but-too-much-could-be-worse-20250620-p5m8z3.html A Study Found Too Much Sleep Increases Risk of Death. Here’s Why. https://www.sciencealert.com/a-study-found-too-much-sleep-increases-risk-of-death-heres-why
Imbalanced sleep increases mortality risk by 14–34%: a meta-analysis https://doi.org/10.1007/s11357-025-01592-y

「長く眠る人」は死亡リスクが34%も高かった

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Credit: canva

研究チームは今回、世界79の調査研究、210万人以上のデータを解析し、「睡眠時間と死亡率の関係」を探りました。

その結果、1晩7〜8時間の睡眠をとる人が最も死亡リスクが低く、それよりも短い睡眠(7時間未満)の人は14%、そして長すぎる睡眠(9時間以上)の人はなんと34%も死亡リスクが高まるという結果が出たのです。

さらに性別によっても傾向は異なりました。

短時間睡眠による死亡リスクの増加は男性のほうが高く、一方で長時間睡眠によるリスクの増加は女性に強く見られました。

これまでの睡眠研究では、「寝不足は健康に悪い」とされてきましたが、「寝すぎ」もまた無視できないリスクであることが、改めて裏づけられた形です。

また、過去の別の大規模研究(2018年)でも、睡眠時間が9時間を超えると死亡率が14%高くなるとの報告があり、今回の結果はその傾向をさらに明確にしたものとなっています。

では、なぜ長く眠ることが、これほどまでに健康に悪いのでしょうか?

次ページ寝すぎは「原因」ではなく「症状」なのかもしれない

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