デジタルメディアが溢れる時代で退屈を感じる若者たち
何世紀も前、人々は退屈すると、ただ窓の外を眺めたり、誰かとおしゃべりしたり、本を読んだりしました。
テレビが登場すると、人々は熱中し、家族全員で楽しむようになりました。
さらにゲームが登場すると、「時間が足りない」と感じるほど、大人も子供ものめり込みました。
だからこそ、デジタルメディアに溢れた現代では、人々は退屈することが無いように思えます。
サブスクで見放題の映画や漫画、動画共有サイトに無限にアップされる動画やライブ配信、アプリ画面のスクロールで次々と表示されるショート動画、毎日新作が登場するアプリゲーム、いつでも誰かと対戦できる多種多様なオンラインゲームなど、暇を埋めるためのコンテンツはいくらでもあるからです。
しかしタム氏ら研究チームのアメリカと中国における調査では、2009年から2020年で、特に若者の間で退屈感が急増していると判明しました。
調査対象となったアメリカの中高生(10万人以上)や中国の大学生(2万8000人以上)は、「退屈することが多い」とアンケートに答えており、退屈を感じる傾向が過去10年間で急増していることが分かりました。
学生以上の年齢層の人々でも、同じく退屈に感じている人が多いはずです。
では、どうして人々は退屈になってしまったのでしょうか。
その理由について、タム氏ら研究チームは、デジタルメディアに潜む3つの原因を提示しています。