大人になってもふみふみするネコの不思議
子猫のうちはほぼ生理現象ともいえる「ふみふみ」ですが、その理由は母乳を促すためや体温を保持するためなど子猫ならではのものでした。
しかし、成猫でも「ふみふみ」を行うネコは少なくありません。
もちろんすべてのネコが行うわけではありませんが、ネコを飼っている人にアンケートをとると、6~7割の人がこの「ふみふみ行動」を目にしたことがあるそうです。
私の飼い猫も3歳ととっくに離乳した年齢ですが、未だに私や私のガウンに対して「ふみふみ」をよくしています。
大人になったネコが「ふみふみ」について調べてみると、その理由は場面場面で異なるようです。
飼い主に母猫を重ねて甘えている
まず、飼い主に対して「ふみふみ」を行う場合は、飼い主を母猫と重ねている可能性が高いでしょう。
離乳前に何らかの理由で親から引き離されたネコは子猫気分が抜けず甘える際に「ふみふみ」の習慣を持ち続けることが多いと言われていますが真偽は明らかにされていません。
しっかり親元で過ごせていても多くのネコが「ふみふみ」を行うことから、子猫自体に母猫を「ふみふみ」しながら甘え、眠っていたことで、単純に「ふみふみ」をすることが甘えるときや眠る前のルーティンになってしまっているという説もあります。
ものに対してふみふみする場合は「におい付け」
一方、ネコは飼い主以外の毛布やクッションなどに対しても「ふみふみ」を行うことがあります。
その場合「眠る前のルーティン」というケースももちろんあるのですが、もし眠りやリラックスと関係ないような表情で一心不乱に「ふみふみ」しているなら別の理由があるかもしれません。
そこで考えられるのは、気に入ったものへの「マーキング」です。
前述の通り、ネコの前足の裏には臭腺がありますので「ふみふみ」を行うことで対象のものに自分の臭いを付けることができます。
真新しい猫ベッドなどを「ふみふみ」するのは「気に入ったから自分のものにする」という宣言なのかもしれません。
発情のサインを示す場合も
ネコを複数飼っている場合、ネコ同士で「ふみふみ」が行われるのもよくある光景です。
前述の通り、ネコは「ふみふみ」をする際、前足裏からフェロモンを分泌し、相手猫のオキシトシン放出を促します。
オキシトシンはストレスを鎮める作用がありますので、相手猫とリラックスして過ごしたいときにはもってこいの行動です。
また、雌猫の場合「ふみふみ」は発情したサインでもあるといいます。
発情した雌猫はスキンシップが増える傾向にありますが「ふみふみ」も例外ではありません。
避妊手術前の雌猫を飼っていて、おさまっていたはずの「ふみふみ」が復活したら発情のサインである可能性がありますので、もし周りに雄猫がいるのなら特に注意が必要です。
このように「ふみふみ」には体調の変化を知らせてくれるようなものもあります。
次ページではネコの「ふみふみ」で気を付けるべきケースをご紹介しましょう。