母子のコミュニケーションだったネコのふみふみ
ご存知の方もいるかもしれませんが、本来ネコの「ふみふみ」は子猫が母猫に対して行うものです。
子猫が「ふみふみ」するのは母猫の乳房を刺激することで、母乳が出やすくなるようにしているのだと言われています。
しかし、実は「ふみふみ」には物理的なマッサージ効果だけでなく、母子の精神的なコミュニケーションの側面もあるようです。
足裏から出るフェロモンで絆を深める効果も
ネコの前足の足裏には臭腺があり、そこからフェロモンを分泌します。
フェロモンというと雌雄間の生殖に関わるものをイメージする方が多いと思いますが「動物の体内でつくられ、体外に放出されて、同種の他の個体の行動や発育に影響を与える物質」の総称です。
子猫と母猫の場合、子猫の前足から放出されたフェロモンによって母猫はオキシトシンと呼ばれるホルモンの放出が促されます。
オキシトシンは母乳を出すことや「母性」の形成にも関わるとされてることから「愛情ホルモン」とも呼ばれるものです。
また、オキシトシンが出るとストレス反応が抑制され情緒が安定するため、母猫はリラックスした状態になります。
子猫は離乳してからも「ふみふみ」をすることがありますが、それはまだ小さい体の体温を保てるよう母親とくっついて眠るためなのだそうです。
子猫の「ふみふみ」は単なる「母乳の出をよくするマッサージ」ではなく母子のコミュニケーションなのですね。
しかし、半数以上のネコは離乳し、体温調節が自分でできる成猫となっても「ふみふみ」を行います。
この理由は一体何なのでしょうか?