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簡単な名前の人は親しみ深く、危険性が少なく、信頼性が高いと判断される (2/2)

2023.08.21 Monday

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印象と発言の信憑性は名前の発言のしやすさに左右される

印象と発言の信憑性は名前の発言のしやすさに左右される
印象と発言の信憑性は名前の発言のしやすさに左右される / Credit: Unsplush

今回の研究は印象と発言の信憑性は名前の発音のしやすさに左右されることが示されました。

過去の研究では、簡単に処理できる刺激をポジティブな意味として解釈し、逆に処理が難しい刺激をネガティブな意味として解釈する傾向を報告しています。

例えば食品添加物を例に挙げて考えてみましょう。

「ペクチン」と「カルボキシメチルロースナトリウム」という名前の食品添加物であれば、どちらの方が安全だと感じますか。

どちらも厚生労働省により安全が保障されていますが、事前情報がない場合は、名前が長く、読むのが難しい「カルボキシメチルロースナトリウム」の方が危険なのではと思ったのではないでしょうか。

つまり、私たち人間は新しい情報と出会ったときに、その情報が簡単かどうかが、心理的評価において大きな影響を持っているのです。

簡単な名前の人は採用されやすい

簡単な名前の人は難しい名前の人よりも採用されやすい
簡単な名前の人は難しい名前の人よりも採用されやすい / Credit: Unsplush

あなたはある企業の新卒採用担当です。

もし全く同じ能力の応募者がいたとして、片方の名前は「鈴木大輔」、もう片方の名前が「鈴木玲央那瑠斗(れおなるど)」だとしたらどちらを採用しますか。

片方はよく見かけるような一般的な名前で、もう片方はフリガナが振っていないと読めないような名前、いわゆるキラキラネームです。

おそらく前者の「鈴木大輔」を採用するのではないでしょうか。

近年の研究によると、簡単に発音できる名前の人のメリットは印象の良さ、発言の信憑性の高さに留まらず、雇用されやすいことも報告されています。

アメリカのヴァッサー大学のチー・グァー氏(Qi Ge)らの研究チームは、米国の経済学博士課程の大学院生1660名を対象に、名前の発音のしやすさと雇用のされやすさの関係性に関する調査を行っています。

調査の結果、名前が長く発音しにくい学生ほど、専門的な仕事に就きにくく、研究成果の低い研究機関に就職する可能性が高いことが確認されました。

また別の2012年のオーストラリアのメルボルン大学のシモン・ラハム氏(Simon Laham)らの研究チームは、法律事務所において簡単な名前の人の方が難しい名前の人よりも高い地位に就いていることを報告しています。

これらの結果は、名前の発音のしやすさが採用や人事の評価などの企業にとって重要な意思決定の際にも影響を与えることを示唆しています。

研究チームは「今回の研究結果は名前の発音のしやすさの影響が、これまで考えられていたよりも広範囲に及ぶということです。今後の研究では、目撃者の名前の発音のしやすさが陪審の評決にどのような影響を与えるかなど、多様な状況で検討を行う必要がある」と述べています。

複雑な名前には、印象に残りやすいなどのメリットもあるかもしれませんが、「名は体を現す」という言葉が生まれるように、名前はその人の印象に大きな影響を与えることがさまざまな研究から示されています。

名前をつける際にはこうした影響も考慮して慎重に決定するべきでしょう。

【編集注 2023.08.21 16:00】
記事内の誤字を修正して再送しております。

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