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psychology

【毎日を楽しむコツ】日々の生活の幸福度を上げる簡単な方法 (2/2)

2024.09.09 Monday

前ページ心理的な「幸せの鍵」はどこにあるのか?

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いつも幸せな人の「心理的な姿勢」が明らかに!

今回の調査ではまず、幸福度が高い人が幸福度の低い人に比べて、日常の楽しく意義のある活動にどのような情熱を向けているかを調べました。

調査はアメリカとカナダで募集された409名の若年成人を参加者としています。

参加者は学業・好きな趣味・恋愛関係・友人関係という4つの人生活動(楽しく意義のある活動)に対する情熱を評価する質問に回答しました。

それと並行して、充実感・生活満足度・生きがいの3つの尺度による日常的な心理的幸福度も測定しています。

データ分析の結果、心理的幸福度が最も高い人(上位25%と定義)は、幸福度が低い人(下位25%)と比較して、4つの人生活動すべてに情熱的であり、特に「調和のとれた情熱」のレベルが有意に高いことが明らかになったのです。

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自分の好きな活動に対しては「情熱のバランス」が大事/ Credit: canva

これは仮説で予想された通り、楽しく意義のある活動に際しては、

・自分で十分にコントロールできるレベルの情熱

・活動に対してポジティブな感情や充実感が感じられる情熱

・他の生活や人間関係に支障がなく、無理のないペースで続けられる情熱

が幸福度の高まりに繋がっていることを示していました。

幸せな人は「自分を律する力」が高かった

さらにチームは別の調査で、幸福度が最も高い人々が家事や義務などの気乗りしない活動に対してどのように向き合っているかも調べました。

ここでも同じくアメリカとカナダで募集した516名の若年成人を対象としています。

参加者は先の調査と同じように、4つの人生活動に対する情熱のレベルと日常的な心理的幸福度を評価した後、気乗りしない活動に対する「自己調節」の程度も測定しました。

その結果、先と同じく、幸福度が最も高い人は4つの人生活動に情熱的であることが示されましたが、日々の雑用や勉強など、気乗りしない活動に対しては情熱を持っていませんでした。

つまり、幸福度の高い人たちであっても、つまらない活動に対してはちゃんと「つまらない、気乗りしない」と感じているようです。

ところが重要な違いは別にありました。

幸福度の高い人たちは、つまらない活動に対する「自己調節」のレベルが有意に高く、自主的・自発的に意欲をかき立てて取り組んでいることがわかったのです。

これは幸福度の低い人たちには見られない傾向でした。

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ミュージカルの世界に入ったつもりで掃除をしてみたら幸福感は高まるかもしれない/Credit:canva

両者の違いをわかりやすく言い換えると、「やらされている」「やっている」かの違いになります。

幸福度の低い人たちは気乗りしない活動を「やらされている」という意識でこなしていましたが、幸福度の高い人たちは同じ活動を「自らやっている」という意識で取り組んでいました。

こうした「自己調節」の能力は、

・押しつけられたタスクの内に目標を見つけ出し、それを達成するための計画を立てられる

・怠惰や不安、怒りの感情に流されず、感情を適切にコントロールして、ネガティブな行動に結びつけない

・目先の欲求や誘惑を抑制し、長期的な利益を優先できる

ストレスフルな状況にもリラックス法やポジティブ思考で対処し、心のバランスを保つことができる

などなど、常に精神面をポジティブに保つことに繋がります。

こうした「やらされている」か「やっている」かの意識の違いが、幸福度の差に現れているのかもしれません。

まとめ

以上の結果を踏まえて、研究チームは、

幸福感が常に高い人は

(1)日常の楽しみはほどほどに(必死になりすぎない)

(2)日常生活に必要な仕事(家事など)は楽しんで取り組む

ことが重要だったと結論しました。

無理に趣味や情熱の持てることを探せと言われても難しいですが、好きな音楽を聞きながら洗い物や掃除を楽しんだり、ちょっと凝った料理を作ってみたり、晴れた日に外で洗濯物を干してみたり、そんなことなら簡単に試せるかもしれません。

そしてそんな風に家事に取り組んでみるだけで日常で感じる幸福感は大きく変わる可能性が高いのです。

好きなことや目標に対して、人は必死になりすぎてしまうところがあります。逆に別にやりたくもないことはイヤイヤ取り組んでしまいがちです。

しかし大切なことは、趣味を見つけて頑張ることより、鼻歌でも歌いながら家事をすることなのかもしれません。

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