2022年頃からイルカの襲撃が始まる
福井県でイルカの襲撃被害が報告され始めたのは2022年頃です。
その年には同県北部の海水浴場を中心に、確認されているだけで21名がイルカに噛みつかれるなどして怪我を負っています。
また2023年の海水浴シーズンにも再び被害が起き、少なくとも9名が怪我をしました。
そして今年に入り、7月21日〜8月20日までで18名がイルカの襲撃被害にあったと伝えられています。
2022年の襲撃以来、負傷者は現時点で48名。
そのほとんどは軽傷で済んでいますが、中には20針を縫う怪我や骨折した人もいました。
こちらはイルカによる襲撃の一部を捉えた実際の映像です。
※ 音量に注意してご視聴ください。
犯人は1頭のミナミハンドウイルカ?
研究者らが襲撃時のビデオ映像や写真を分析した結果、同じ1頭のオスの「ミナミハンドウイルカ(学名:Tursiops aduncus)」が襲撃に関与している可能性が浮上しました。
イルカの生態に詳しい三重大学の森阪匡通(もりさか・ただみち)氏によると、去年と今年の襲撃時に見られたイルカの姿を調べたところ、尾びれの傷跡の特徴が一致していたことから同じ個体と見られるといいます。
(※ 性別はクチバシや胸びれの特徴からオスと識別できたとのこと)
それに加えて、ミナミハンドウイルカは本来、複数頭の群れで行動することが常であり、1頭での単独行動は非常に珍しいものです。
その点も踏まえると、襲撃に関わっているイルカは群れから外れてしまった同じオス個体と考えるのが妥当だといいます。
もちろん、すべての襲撃事件の犯人がこのオスイルカであるとは断定できませんが、その多くに関与していることは確かなようです。
では、なぜこのオスイルカはわざわざ人を襲うようなことを始めたのでしょうか?