ゲームはプレイヤーの気分を本当に向上させる?「パワーウォッシュシミュレーター」の効果を調べた研究
これまで、ビデオゲームに関して数多くの研究が行われてきました。
その中には、ゲームのプレイが私たちに良い影響を与えると報告するものも少なくありません。
例えば、最近実施されたいくつかの研究によると、「テトリス」にはトラウマを癒す効果があると分かっています。
テトリスといえば、「世界で最も売れているゲーム」の1つです。
もしかしたら、こうした「メンタルを改善する効果」が、テトリスの人気を高めている秘密なのかもしれません。
では、テトリス以外にも、人気を博したゲームの中には、何かしらの秘密が隠されているものなのでしょうか。
今回、オックスフォード大学の研究者たちは、人気ゲームである『パワーウォッシュシミュレーター(Powerwash Simulator)』に焦点を当て、このゲームが及ぼす気分の変化を調べることにしました。
このゲームのタイプは、現実の活動を疑似的に体験させる「シミュレーター」であり、現実の高圧洗浄の作業を再現したものとなります。
プレイヤーは、高圧洗浄の業者になり、クライアントから依頼を受けて、様々なオブジェクトや場所の汚れを落としていきます。
「高圧洗浄機で汚れを落とす」という単純なゲームでありながら、一時期、配信者たちや視聴者たちの間で大きな話題を呼び、大流行しました。
配信者がプレイしているのを見て、「自分もプレイしたくなった」という人も少なくないでしょう。
今でも世界中のプレイヤーを魅了し続けており、2024年4月の時点で、プレイヤー数が1200万人に到達しています。
こうした背景にあって、研究チームは、パワーウォッシュシミュレーター(Powerwash Simulator)を開発したイギリスのゲーム開発スタジオ「FuturLab」と協力し、このゲームを所持している人なら誰でも、「研究モード」をプレイできるようにしました。
プレイヤーは、スタート時に通常モード以外に、研究モードを選択できます。
このモードで開始すると、プレイヤーは、通常のゲームプレイに加えて、いくつかの質問に答えるようになります。
それらには心理調査の項目が含まれており、特に「ゲームプレイ中にプレイヤーの気分がどの程度変化するか」といった点が明らかになるよう設定されていました。