人は異性に誘惑されると、既存の関係を強めるために「消費行動」を変化させる

Study 2では、独身者と恋愛中の被験者を比較しました。
その結果、魅力的な異性に出会ったとき、消費行動の傾向が変化したのは「非独身者」のみでした。
これは、消費行動が「新しい相手を惹きつけるため」ではなく、「今のパートナーとの関係を補強するため」に行われている証拠と考えられます。
Study 3では、「罪悪感」が測定されました。
その結果、魅力的な異性に出会ったとき、被験者の多くは、今のパートナーに対する罪悪感を覚えると分かりました。
特に、消費行動の傾向が変わった人にその傾向が強く表れました。
Study 4では、被験者に「自分はどれだけ良いパートナーだと思うか」を自己評価してもらいました。
その結果、異性から誘惑された人は、自分をよりポジティブに評価する傾向があり、その感情が消費行動に強く影響していたと分かりました。

これらの研究から分かるのは、既にパートナーがいる人は、魅力的な異性から誘惑された時、その相手に少しでも惹かれてしまった自分に罪悪感を覚え、パートナーとの関係を強めようとすると分かります。
男女でどう行動するかは異なりますが、消費行動によって「より自分を魅力的に見せる」ことで、今のパートナーとの絆を強めようとしていたのです。
もちろん、今回の研究には限界もあります。
たとえばこの研究は主に中国の都市部の若年層を対象にしており、文化的背景や世代、恋愛観の違いによって、異なる結果が出る可能性もあります。
また、実際の購買データではなく「購買意向(どちらを選ぶか)」を測定しているため、実際の行動とは異なるかもしれません。
それでも、今後この研究が発展すれば、恋愛状況を分析するマーケティング戦略や、関係維持のための新しい行動モデルの構築 など、さまざまな分野への応用が期待されます。
そして何より、この研究は、自分のパートナーに生じた小さな“変化”の理由に気づかせてくれます。
「最近、彼がやけにアクティブだな…?」 「彼女が急にブランド物に目覚めたぞ?」
そんな行動変化の裏には、もしかしたら小さな恋の揺らぎが潜んでいるのかもしれません。
お互いの腹を探り合う、もはや人狼ゲームであります。
恋愛怖いわー、怖くてできないわー(相手がいなくてできない負け惜しみです)。
女性は確かに見た目が明らかに変わりますね。髪型や服装はかなり大胆に変えて違いをアピールしがちに感じます。