異性に誘惑された時の「男女の消費行動の違い」とは?
恋愛における「浮気の兆候」や「関係維持の心理」は、これまでも心理学で長らく研究されてきました。
しかし、多くの研究は性的欲求や関係満足度に焦点を当てており、“消費行動”との関係に注目した研究はきわめて稀でした。
今回の研究チームは、恋愛中の人間が「魅力的な他者」に出会ったとき、どのような行動をとるのか、特に「消費行動のパターン」にどんな変化が起きるのかを追いました。
注目したのは、「体験的消費(旅行、ライブ、スカイダイビングなど)」と「物質的消費(服、アクセサリー、ガジェットなど)」の2つです。
研究は複数の実験から構成されました。
Study 1では、まず非独身の男女(約200名)を対象に、ロマンティックな誘惑を受けた場面と、そうでない場面を想像させ、その後に起こる消費行動の違いを調査しました。

その結果、男性は誘惑後に体験的消費を、女性は物質的消費を選ぶ傾向が顕著に見られました。
つまり男性は、パートナー以外の魅力的な異性に出会ったとき、体験的消費(旅行、冒険など)を選びやすくなり、女性は同様の状況で、物質的消費(服、装飾品)を好む傾向が強まったのです。
この違いの背景には、「どのような魅力的自己像を演出したいか」という性別による違いがあります。
男性は“行動力があり、人生を楽しめる男”というイメージを演出したがります。
一方で、女性は“洗練され、美しく、価値ある女性”という印象を作りたがるという傾向があるとわかります。
では、このような変化は、いわゆる「浮気心」の証拠なのでしょうか?
新しく出会った「魅力的な人」に自分を良く見せたいので、そのように消費行動を変化させるのでしょうか。
続く実験によると、実はその「逆」だったようです。