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孤独感が強い人は「体の痛みリスク」が2倍に

2025.09.18 07:00:39 Thursday

「最近なんだか体が重い」「どこも悪くないのに、なぜか痛みが続く」

そんな体の不調に、実は「孤独感」が関わっているかもしれません。

英ロンドン大学(UoL)の研究チームは、世界139カ国・25万人超を対象とした大規模調査を実施。

その結果、「孤独を強く感じている人は、体の痛みを感じるリスクが2倍以上になる」という驚きの事実が明らかになりました。

研究の詳細は2025年8月20日付で学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

Loneliness doubles risk of physical pain, study suggests https://medicalxpress.com/news/2025-09-loneliness-physical-pain.html
The association between loneliness and pain, and the role of physical health and distress: an analysis in 139 countries https://doi.org/10.1038/s41598-025-15151-0

孤独が「痛み」とつながる理由

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この研究では、2023年と2024年の「ギャラップ・ワールド・ポール」から15歳から100歳までの25万6760人分のデータが分析されました。

調査の結果、孤独感が強い人は、そうでない人に比べて「身体的な痛みを感じるリスクが2.14倍」も高くなっていました。

さらに、孤独な人は健康問題を抱える割合も約2倍、心理的な苦痛を感じている割合も25.8%高いことがわかりました。

なぜ、「孤独」は「痛み」とつながるのでしょうか?

チームは、この関連に影響する要因を詳しく分析。

すると、「心理的な苦痛(不安や抑うつ、ストレスなど)」が、孤独と痛みのつながりのうち6割以上を説明できることが判明しました。

つまり、「孤独による心の苦しさ」が、やがて身体的な痛みや不調へと影響を及ぼしているのです。

実際、孤独を感じる人は、失業やパートタイム就労、低所得、学歴の低さといった「社会経済的な不利」にも直面している傾向があり、これらも体の痛みリスクを高めている要因として指摘されました。

しかし、こうした経済的・社会的な要因の影響は全体の1〜2割ほどで、最大の影響を与えていたのは「心理的苦痛」でした。

さらに、調査では「女性でより顕著」「全年齢層で共通」「国や文化によって強さは異なる」といった傾向も明らかになりました。

高齢者は孤独・痛み・健康問題を経験しやすいものの、「孤独と痛み」の関係自体は若者でも大人でも見られました。

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