当時の船を描いた歴史的絵画や壁画 - ナゾロジー

当時の船を描いた歴史的絵画や壁画
当時の船を描いた歴史的絵画や壁画 イギリスのスナーゲートという町のセント・ダンスタン教会に描かれた、15世紀末頃の巨大な船を示す壁画の写真です。この船は、イングランド王ヘンリー7世の軍艦「リージェント号(Regent)」ではないかと考えられています。 壁画を見ると、船の前と後ろに高くそびえ立つ構造物(城のような塔)があることがわかります。この部分は「フォアキャッス(船首楼)」と「スターンキャッス(船尾楼)」と呼ばれるもので、中世後期の軍艦にはよく見られました。ここには、小さなアーチ型の開口部がたくさん並んでいますが、これは実は「砲門」、つまり大砲を設置して外に向かって撃つための窓なのです。 この絵が描かれた当時、軍艦は徐々に大砲をたくさん載せるようになっていました。大砲は最初、大きな砲弾を撃つというよりも、比較的小さな砲弾を使って敵の船員を攻撃する目的で使われていました。この壁画に描かれた多数の砲門は、その頃すでに船が多くの大砲を搭載し、敵を圧倒する「火力」をもつようになっていたことを示しています。 この壁画は歴史的に重要です。なぜなら、当時の船がどのように武装し、どのような姿で戦闘に備えていたかを視覚的に記録している数少ない貴重な史料だからです。また、この絵によって、グリプスフンデン号のような北欧の軍艦がどのような姿であったかを比較する手がかりにもなります。500年以上前に描かれたこの壁画が、現代の私たちに過去の軍艦のリアルな姿を教えてくれます。/Credit:Late Medieval Shipboard Artillery on a Northern European Carvel: Gribshunden (1495)

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