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※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

紀元前5800年の「巨大な海底の壁」を発見、フランス

2025.12.16 12:00:49 Tuesday

このほど、フランス西部の海底で、驚くべき巨大構造物が見つかりました。

それは今から約7000年前、紀元前5800年ごろに築かれたと考えられる「長さ120メートルの海底の石壁」です。

現在は水深9メートルの海底に沈むこの壁は、当時の人々が高度な技術と社会組織をすでに持っていた可能性を示しています。

一体なんの目的で建てられたのでしょうか?

研究の詳細は西ブルターニュ大学(UWB)らにより、2025年12月9日付で学術誌『International Journal of Nautical Archaeology』に掲載されています。

Huge undersea wall dating from 5000 BC found in France https://www.bbc.com/news/articles/crk7lg1j146o Ancient undersea wall dating to 5,800 BC discovered off French coast https://phys.org/news/2025-12-ancient-undersea-wall-dating-bc.html
Submerged Stone Structures in the Far West of Europe During the Mesolithic/Neolithic Transition (Sein Island, Brittany, France) https://hal.science/hal-05406477

海底に眠っていた「石器時代の巨大建造物」

この発見があったのは、フランス・ブルターニュ地方の西端に位置するセナン島(イル・ド・セナン)沖です。

ダイバーたちは、長年海中に沈んでいた全長約120メートルの石の壁と、同じ時代に造られたとみられる十数基の小規模な人工構造物を確認しました。

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発見された「海底の壁」の残骸/ Credit: Yves Fouquet et al., International Journal of Nautical Archaeology(2025)

これらは、2017年に引退した地質学者イヴ・フーケ氏が、レーザー測深によって作成された海底地形図を調べる中で発見したものです。

海底の谷を不自然に横切る直線構造を見つけ、「自然物ではあり得ない」と直感したことが調査のきっかけでした。

その後、2022年から2024年にかけて潜水調査が行われ、花崗岩で造られた人工構造物であることが正式に確認されました。

紀元前5800年から紀元前5300年の間に築かれたと推定されており、建設当時は現在より海面が低く、構造物は海岸線付近に位置していたと考えられています。

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