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リトルフットの頭蓋骨化石/ Credit: commons.wikimedia
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古人類化石「リトルフット」、新種人類の可能性が浮上

2025.12.17 22:00:21 Wednesday

1980年に南アフリカで発見された古人類化石「リトルフット(Little Foot)」

この極めて保存状態の良い化石が、これまで考えられてきた既知の種ではなく、まったく新しい人類の仲間だった可能性があると、豪ラ・トローブ大学(La Trobe University)により発表されました。

長年続いてきた分類論争に、改めて大きな疑問符が投げかけられています。

研究の詳細は2025年11月29日付で科学雑誌『The American Journal of Biological Anthropology』に掲載されました。

Iconic fossil may be new type of human ancestor https://www.latrobe.edu.au/news/articles/2025/release/iconic-fossil-may-be-new-type-of-human-ancestor ‘Little Foot’ May Be a Whole New Member of Our Family Tree After All https://www.sciencealert.com/little-foot-may-be-a-whole-new-member-of-our-family-tree-after-all
The StW 573 Little Foot Fossil Should Not Be Attributed to Australopithecus prometheus https://doi.org/10.1002/ajpa.70177

最も完全な古人類化石「リトルフット」とは

リトルフットは、南アフリカのステルクフォンテン洞窟で発見された古人類化石で、現在知られている中でも最も完全なホミニン(人類系統)骨格とされています。

正式な標本番号は「StW 573」で、最初の発見は1980年にさかのぼります。当初見つかったのは、足首にあたる4つの小さな骨でした。

これが「リトルフット」という愛称の由来でもあります。

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リトルフットの頭蓋骨化石/ Credit: commons.wikimedia

これらの骨は長らく保管されたままでしたが、古人類学者ロナルド・クラークによって分析され、アウストラロピテクス属のものであると判断されました。

1997年にはクラーク率いる研究チームが再び洞窟を調査し、岩壁に半ば埋まった非常に完全な骨格を発見しました。

ただし、この化石はコンクリートのように硬い岩に包まれており、完全な発掘と分析には20年以上の歳月を要しました。

その間、リトルフットは「アウストラロピテクス・アフリカヌス」なのか、それとも別種なのかという議論の中心に置かれてきました。

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