「物」の誇示は冷たい印象を与える
人間は古くから、自分の富や社会的地位を周囲に示すためにお金の使い方を見せびらかしてきました。
19世紀末、経済学者ソースティン・ヴェブレンはこの行動を「conspicuous consumption(顕示的消費)」と名付けました。
これまでの心理学研究では、高級車やデザイナーズバッグなど「物」を見せびらかす行動が主に調べられてきました。
そこで分かったのは、物質的な贅沢品を誇示する人は「お金持ちで成功している」と見られる一方で、「冷たい」「計算高い」「友達になりたくない」といったネガティブな印象も持たれやすいということです。
つまり、物の誇示にはステータスを示すメリットがある反面、対人関係上のコストが伴っていたのです。
では、SNSで急増している「体験の誇示」はどうでしょうか?
高級旅行やVIPコンサート、一流レストランでの食事といった体験的消費の市場は世界でますます成長しています。
しかし、これらを見せびらかすことの社会的影響については、ほとんど研究されていません。
そこで研究チームは4つの実験を通じて、体験と物の誇示がもたらす印象の違いを検証しました。
実験1aでは、421名の参加者を対象に、同じ製品でも説明の仕方によって印象が変わるかを調べました。
全員に高級「Boseホームシアターサウンドシステム」を見せ、半数には製品の物理的特性や部品の品質を強調した説明を、残り半数には没入感のある視聴体験や製品がもたらす感覚を強調した説明を読ませました。
その後、このシステムを購入した架空の人物の性格を評価してもらいました。
結果、ステータス(富や社会的地位)の認知には差がありませんでした。
どちらの説明を読んだ参加者も、所有者を同程度に「裕福」「上流階級」と評価したのです。
しかし温かみの認知には明確な差が出ました。
体験を強調して説明された製品の所有者は、物として説明された所有者よりも「温かい」「社交的」と評価されたのです。
製品自体は同じなのに、「何を持っているか」ではなく「どんな体験ができるか」という視点で語るだけで、その人の印象が良くなったわけです。
続く実験1bでは、120名の参加者に実際のInstagram投稿を見せて評価してもらいました。
研究チームはInstagramから高級旅行や高級品に関するハッシュタグを使って投稿を収集し、参加者に投稿者がさまざまな職業にどれくらい向いているかを判断させました。
職業は「高ステータス・温かみが低い」仕事(企業弁護士、ビジネスパーソンなど)と「温かみが高い」の仕事(ソーシャルワーカー、保育士など)の2タイプを用意しました。
結果、体験を投稿していた人は両タイプの職業に向いていると評価されました。
有能さも親切さも兼ね備えていると見られたのです。
一方、物を投稿していた人は高ステータスの職業には向いているものの、温かみが求められる職業には不向きと判断されました。
現実のSNS投稿でも、体験の誇示はステータスを損なわずに「いい人」という印象も獲得できる「両取り」の戦略になりうることが確認されたのです。
では、なぜ体験を誇示する人は温かく見えるのでしょうか?



























![[コロンブス] キレイな状態をキープ 長時間撥水 アメダス 防水・防汚スプレー420mL](https://m.media-amazon.com/images/I/31-OcmTs2LL._SL500_.jpg)
![シルバーバック【カンタン!たのしい!水の生きもの砂絵セット】 幼稚園 小学校 入園 入学 お祝い プレゼント 準備 ([バラエティ])](https://m.media-amazon.com/images/I/515gZ4F-QYL._SL500_.jpg)
![[WILL CLENS] シューズパウダー 日本製 無香料 シューケアキット 靴 消臭 パウダー (1本)](https://m.media-amazon.com/images/I/41m8Ig2XigL._SL500_.jpg)






















