「隠れる」だけではない高度な擬態行動
研究者たちは、この行動を単なる「隠蔽」ではなく、より高度な擬態戦略と考えています。
まず注目されたのは、「マスカレード」と呼ばれる擬態です。
これは背景に溶け込むのではなく、自分を生物ですらない“物体”に見せる行動です。
今回のイカは、深海に普通に存在するスポンジの茎や管状生物に見えるよう、触腕を硬直させて動かずにいました。
さらに研究者は、この姿勢が待ち伏せ型の捕食戦略である可能性も指摘しています。
スポンジの茎の周囲には、小さな甲殻類などの生物が集まりやすく、イカにとっては効率よく獲物を捕らえられる場所です。
深海では餌が乏しく、エネルギー消費を抑えることが重要なため、このような戦略は非常に理にかなっています。
こちらは探査中に撮影された映像。
実際、深海性の頭足類では代謝が低く、激しい泳ぎよりも「動かずに待つ」行動が有利だと考えられています。
ただし、イカが泥に身を埋め、逆さまの姿勢でマスカレードを行う例はこれまで報告されていませんでした。
この発見は、深海にイカが少ないと考えられてきた理由を、根本から見直すものです。
実際には、彼らは存在していたものの、あまりにも巧みに隠れていただけなのかもしれません。
深海の生態系は、今後、気候変動による海洋酸性化や深海鉱物資源の採掘といった人間活動の影響を強く受けると予想されています。
今回の研究は、そうした影響を考える前に、私たちが深海生物についてどれほど知らないかを突きつけています。


























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記事にある行動の理由付けがにわかには信じがたいです。
トワイライトゾーンより深い深海は、真っ暗闇で視覚による探査ができそうにありません。(だからこそ、分類群によらず白っぽい深海生物が多いのでしょう。)視覚的擬態が成功するには、ハンターが、自ら光を照査するよりありません(マツバウオばりにサーチライトを有している生物がいれば、それはそれで大発見でしょう。)。
仮に長い触手や触角で探査する捕食者に対する触覚探査に対する形態擬態としても、触手・触角の先には化学センサーがあるでしょうから、形態擬態が無効に思えます。
あとは、エコロケーション(音響定位)に対する擬態ですが、散在する小さな海底イカを巨大な歯クジラが狙う利得が想像できないし、深海魚や他の捕食性の大型イカが音響発信器官や受容器をもっているような話も聞いたことがありません。
記事にある通り、擬態はエネルギーの温存が主な目的では?わざわざ栄養の少ない深海を遊泳する必要があるわけではないですし
自己レスです
なぜなに物語をひねり出しました。
科学教養番組の深海海底映像で、目の大きなタラの仲間が映ります。類推で、数百メートルの海底から深海まで幅広くそのイカが分布するなら、光の届く程度に浅い海底での擬態行動が、深海で暮らしている個体にも保存されるかもしれません。
浮遊卵を海底流中にばらまけば、海底の流れに乗って卵や幼生が遠方の海底まで運ばれます。水深数百メートルより深い深度で広く生きられるなら、深海へ供給された卵から発生した個体は、浅海で適応的である視覚的擬態行動を金科玉条に深海でも発現しているやもしれません。