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Credit: canva
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世界初、深海イカが「スポンジの茎」に擬態していた

2025.12.17 12:00:42 Wednesday

深海の海底で、じっと立ち尽くす「スポンジの茎」。

そう見えたものの正体が、実はイカだったようです。

太平洋の水深4000メートルを超える深海で、深海性のイカがスポンジの茎のように振る舞い、周囲に溶け込んでいた様子が初めて確認されました。

この発見は、深海生物が私たちの想像以上に巧妙な行動戦略を持っていることを示しています。

研究の詳細は英ハイランド&アイランド大学(UHI)により、2025年11月25日付で科学雑誌『Ecology』に掲載されました。

Deep-sea squid caught masquerading as sponge stalks in Pacific abyss https://phys.org/news/2025-12-deep-sea-squid-caught-masquerading.html
Discovery of a mud-covering cephalopod evidences the complex life habits in the abyss https://doi.org/10.1002/ecy.70257

深海で見つかった「動かないイカ」の正体

この観察が行われたのは、太平洋中央部のクラリオン・クリッパートン・ゾーン(CCZ)と呼ばれる深海域です。

研究チームは、遠隔操作無人探査機(ROV)を使い、水深約4100メートルの海底を映像で調査していました。

そのとき、カメラには一見するとスポンジ(海綿動物)などの茎状生物のような構造が映り込んでいました。

ところが数秒後、別のカメラに、イカが突然泳ぎ去る様子が捉えられました。

映像を詳しく確認した結果、驚くべき事実が判明します。

そのイカは、多金属団塊の間の泥に身を埋め、逆さまの姿勢で静止していたのです。

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発見された深海イカの擬態/ Credit: Alejandra Mejía-Saenz et al., Ecology (2025)

そして、2本の長い白い触腕だけを水中にまっすぐ突き出し、まるでスポンジの茎や管状生物の一部のように見せていました。

観察されたイカは、マスティゴテウティス科に属するウィップラッシュイカの仲間で、外套長は約10センチメートル、触腕は20センチメートル以上ありました。

このタイプのイカは、この地域では40年以上の調査でほとんど記録されておらず、今回の個体は未記載種の可能性も指摘されています。

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