猫の多様な食性は「世界」にどんな影響を及ぼしているのか
この研究で特に重要なのは、単に「種類が多い」という事実だけではありません。
2084種という数字を分解すると、既知の鳥類全体の約9%、哺乳類の約6%、爬虫類の約4%になります。
つまりネコは、地球上の動物相のかなりの部分と直接関わっている存在なのです。
そして深刻なのは、捕食された動物の中に絶滅危惧種が非常に多く含まれている点です。
全体の16.65%にあたる347種が、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「準絶滅危惧」以上に分類されていました。
特に島の自然環境では影響が顕著で、島で記録された獲物のうち約4分の1が絶滅危惧種でした。
島では動物が外敵に慣れておらず、固有種も多いため、ネコという捕食者の影響が一気に拡大してしまうのです。
実際、過去にはニュージーランドやハワイなどで、ネコが関与したと考えられる絶滅事例も報告されています。
この研究でも、すでに絶滅した鳥類や、野生では見られなくなった種が「ネコの獲物」として記録されていました。
また、ネコの食性は体サイズの制限がほとんどありません。
多くは小型動物ですが、幼体や死骸を含めると、エミューやアオウミガメ、さらにはウシといった非常に大型の動物まで利用していました。
こうした記録から、ネコは「自分で仕留めた獲物だけでなく、見つけた死骸なども含めて、利用できるものは何でも食べている」と考えられます。
重要なのは、これでもなお数字が過小評価である可能性が高いという点です。
調査されていない地域は多く、小型動物は同定が難しく、捕まえても食べ残された獲物は記録されにくいからです。
研究チームが種数の増え方を解析したところ、種数のカーブはまだ頭打ちになっていませんでした。
つまり、今後さらに研究が進めば、ネコが食べる動物の種類はまだ増えると予想されます。
研究チームは最終的に、ネコを「極端な広食性の捕食者」と位置づけました。
特定の獲物に依存せず、環境に存在するさまざまな動物を幅広く利用する存在であり、その影響は生態系全体に及ぶというのです。
私たちが普段可愛がっているネコたちは、実は「何でも食べる」存在だったのです。




























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