健康の影響は6カ国・男女に共通していた
今回の研究でとくに重要だったのは、健康状態の悪さが、関係を築く場面よりも、関係が壊れる場面でより強く表れていたことです。
健康状態が悪い人はたしかにパートナーを得にくい傾向がありましたが、それ以上に目立ったのは、いったんできた関係が別居や離婚に向かいやすいことでした。
これは、健康問題が2人の関係そのものを苦しくしうることを示しています。
もちろん、この研究そのものは「なぜ別れやすくなるのか」を直接測ったわけではありません。
それでも一つの説明としては、健康問題が日常生活の制約やケアの必要性を増やし、関係に実務的にも感情的にも負担をかける可能性が考えられます。
交際の初期には見えにくかった問題が、共同生活の中で少しずつ重みを持ってくるのかもしれません。
また、健康状態の影響は同棲よりも結婚で強く見られました。
これは、結婚がより長い将来を見込む関係だからだと考えられます。
同棲は比較的柔軟な形の共同生活ですが、結婚は生活の結びつきが強く、将来の見通しも含めて相手を考える場面です。
そのため、健康状態がより強く意識されやすい可能性があります。
さらに興味深いのは、この傾向が男女どちらかにだけ強く出たわけではなかったことです。
年齢による違いも見られました。
健康状態の悪さと関係解消との結びつきは、若い世代でより強く出ていました。
年齢が上がると健康問題そのものが珍しくなくなるうえ、長く一緒に過ごしてきた関係には積み重ねもあります。
そのため、高齢になるほど健康状態が悪いことの影響は相対的に弱まりやすいと考えられます。
そして重要なのは、この傾向が特定の1つの国だけの話ではなかったことです。
6カ国でかなり似た結果が見られ、少なくとも複数の社会に共通して存在する現象である可能性が示されました。
この研究が示しているのは、病気だと恋愛や結婚が難しくなりうるという現実です。
だからこそ私たちはそこから目を背けるのではなく、向き合う必要があります。
今後は、この傾向に対処するためにも、身体の病気と心の不調を分けて分析することや、本人だけでなくパートナー側の健康状態も含めて調べることが課題になります。





























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