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ワタリガラスはオオカミを追跡していたわけではない / Credit:Canva
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ワタリガラスは「死骸が集まる場所」を予測していた (2/2)

2026.05.13 11:30:45 Wednesday

前ページワタリガラスは「オオカミを尾行していなかった」と判明

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ワタリガラスはオオカミの行動を手掛かりに「死骸が見つかりやすい場所」を覚えている

研究チームは、オオカミが獲物を倒した地点を地図上に重ね合わせて分析しました。

具体的には、調査地を9平方kmごとの区画に分け、どこで死骸が多く見つかるのかを調べたのです。

すると、死骸は完全にランダムに散らばっていたわけではありませんでした。

オオカミの獲物が比較的多く集まる場所があり、ワタリガラスはそうした場所を繰り返し訪れていたのです。

中には、最大155km離れた場所から死骸へ向かった個体も確認されています。

しかも飛行ルートは、無作為に探し回るような動きではなく、目的地へ向かう“直行便”のような軌跡を示していました。

研究者たちは、この行動に「空間記憶」、つまり過去に訪れた場所やそこへの行き方を覚える能力が関わっていると考えています。

つまりワタリガラスは、「今オオカミがどこにいるか」を追っていたのではなく、「オオカミの獲物が見つかりやすい場所はどこか」を学習していた可能性があるのです。

これはかなり高度な認知能力です。

死骸は長期間残るわけではなく、いつ現れるかも分かりません。

そのため従来、生態学では「予測しにくい資源」と考えられてきました。

しかし今回の研究は、個々の死骸は偶然でも、死骸が現れやすい場所にはある程度のパターンがあることを示しています。

ワタリガラスは、そのパターンを景観レベルで理解していたのかもしれません。

また研究では、ワタリガラスがピューマよりもオオカミの獲物と強く結びついていることも示されました。

オオカミは群れで大型動物を狩り、比較的開けた場所に大きな死骸を残します。

一方、ピューマは単独で狩りを行い、獲物を隠す傾向があります。

そのため、オオカミの獲物はピューマの獲物に比べてワタリガラスに見つかりやすく、利用しやすかった可能性があります。

つまりワタリガラスは、ただ肉を探していたのではなく、より見つけやすい食料源を経験から選んでいたのかもしれません。

今後は、こうした空間記憶を他の腐肉食動物も利用しているのか、またワタリガラスが地形や過去の経験をどの程度まで組み合わせているのかを調べることで、動物の食料探索の仕組みがさらに見えてくるでしょう。

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