女性もまた女性の顔を高く評価していた
今回の研究で特に興味深いのは、女性の顔を高く評価していたのが男性だけではなかった点です。
男性評価者は、男性の顔より女性の顔を高く評価しました。
これは異性愛的な視覚的魅力という説明と結びつけやすい結果です。
ところが女性評価者も、男性の顔より女性の顔を高く評価していました。
しかもその差は男性評価者より大きく、女性が同性の顔を特に高く評価していることが分かりました。
一方で、男性の顔は、男性からも女性からも比較的低い評価を受ける傾向がありました。
この結果は、顔の魅力度評価が単純な異性への性的魅力だけでは説明できないことを示しています。
研究チームはさらに、顔の形そのものがこの差に関係しているのかも調べました。
そこで注目されたのが、顔の形がどれくらい女性的または男性的かを分析したものです。
分析の結果、この顔の構造的な男女差は、男女間の魅力度評価の差の一部を説明していました。
具体的には、女性評価者では差の約3分の1、男性評価者では5分の2強が、顔の形の違いによって説明されると推定されています。
つまり、女性の顔が高く評価される背景には、顔の構造的特徴がある程度関わっている可能性があります。
ただし、それだけで差が完全に消えたわけではありません。
顔の形を統計的に考慮しても、女性の顔が高く評価される傾向は残りました。
研究チームは、その残りの差について、文化や社会的な要因が関係している可能性を指摘しています。
多くの社会では、女性の外見的な美しさが広告やメディアの中で強調されやすく、人々が「美しさ」と「女性らしさ」を結びつけやすくなっているのかもしれません。
また女性評価者が女性の顔を高く評価したことについては、女性の外見が重視されやすい社会的な空気や、そうした圧力を女性同士が共有していることが背景にある可能性も考えられます。
なお、このギャップは他人の顔を評価したときに見られたもので、自分自身の魅力度を評価した場合には同じ差は確認されませんでした。
さらに、差の大きさは条件によって変わり、黒人の顔や高齢者の顔ではギャップがかなり小さくなる傾向もありました。
この研究には限界もあります。
調べられたのは、あくまで顔写真を見たときの魅力度評価です。
実際の恋愛感情、交際相手の選択、性格、声、体型、社会的地位、知性といった要素は含まれていません。
そのため、この結果だけで「女性は本質的に男性より美しい」と結論づけることはできません。
今回示されたのは、男性も女性も、女性の顔を高く評価する傾向があるということです。
そしてその背景には顔の形や特徴だけでなく、文化や社会的な価値観も関わっているのかもしれません。


















































