「森の王」は本当に襲われないのか?
ヨーロッパバイソンは、かつてヨーロッパ各地に広く分布していましたが、狩猟や生息地の減少によって数を減らし、1919年には野生個体が絶滅しました。
その後、飼育下に残された個体をもとに再導入が進められ、1952年にはビャウォヴィエジャ原生林にも戻されました。
現在、この森はヨーロッパバイソンの重要な生息地の1つです。

一方で、ヨーロッパバイソンはあまりにも大きく強いため、現代の生態学ではしばしば「オオカミの主な獲物ではない」と扱われてきました。
オオカミにとって、ノロジカ、アカシカ、イノシシのような動物のほうが、ずっと捕らえやすい獲物だからです。
しかし歴史資料をたどると、話は少し違って見えます。
19世紀のビャウォヴィエジャ原生林では、オオカミによるバイソンの捕殺記録が残されており、1840年代には年平均で約8頭のバイソンが殺されていたとされています。
つまり、ヨーロッパバイソンは「絶対に襲われない動物」ではなかった可能性があります。
ただし、現代の森でオオカミがバイソンを襲う場面は、ほとんど記録されてきませんでした。
そこで重要になるのが、今回カメラトラップに残された映像です。
この映像は、バイソンが今でもオオカミの潜在的な獲物になりうることを、直接示す貴重な記録だったのです。




























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