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ペストマスクが不気味な「カラスのくちばし型」になったのはなぜか? (3/4)

2020.08.03 Monday

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カラス型マスクを発明したのは誰?

17世紀以前、ペスト医師たちは各々が異なる防護服を着用していました。それから専用のペストスーツが発明されたのは、1619年のことです。このスーツは開発後すぐにペスト医師の高い人気を得ました。

発明したのは「シャルル・ド・ロルム」という人物です。ロルムは、フランス人の高名な医師で、アンリ4世、ルイ13世、ルイ14世の主治医も務めました。

シャルル・ド・ロルムの肖像画
シャルル・ド・ロルムの肖像画 / Credit: 国立西洋美術館

ロルムのペストスーツにはいくつかの決まりごとがあります。

まず第一に、必ず「帽子」が被せられます。これは革製のもので、スーツ着用者がペスト医師であることを証明する印でした。

次に、スーツは首から足先までを覆う「オーバーコート」になっています。これにより、肌の露出を最小限に抑え、患者の体液に直接触れないようにしました。

ペストマスクをつけた医師
ペストマスクをつけた医師 / Credit: ja.wikipedia

最後に、疫病医は「木の杖」を持ち歩きました。これには様々な機能があります。

例えば、医師は杖を使って、患者に直接触れることなく診察したり、助手や患者の家族に向けて、患者をどこに移動させるべきかを杖で指示しました。

また、自暴自棄になった患者の暴力にも杖で応戦したそうです。全体的に見ると、もはや黒魔術師ですね。

次ページマスクが「カラス型」なのはなぜ?

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