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Credit: canva
history archeology

ペストマスクが不気味な「カラスのくちばし型」になったのはなぜか?

2020.08.03 Monday

新型コロナウイルスの再拡大に伴い、世界はマスクが手放せない時代となりましたが、過去にも感染症により「危機の時代」と呼ばれた時がありました。

14〜17世紀にヨーロッパを襲った「ペスト(黒死病)の大流行」です。

ペストや黒死病と聞いて一番に思い浮かべるのは、不気味な鳥のくちばし型をしたマスクではないでしょうか。

これは、当時の疫病医が身につけた防護服ですが、死神の使いのようで、患者としては気分の良いものではない気がします。

なぜこのような形になったのでしょうか。そして、鳥のくちばし型マスクを発明したのは誰だったのでしょうか。

Secrets Behind the Creepy Plague Doctor Mask and Costume https://www.ancient-origins.net/artifacts-ancient-technology/plague-doctor-mask-009201

ペストの大流行は「気候変動」が招いた?

ペストは、ペスト菌によって起こる病気で、げっ歯類を宿主とし、ノミによって人に伝染されます。致死率がきわめて高く、治療がされない場合は60〜90%に達しました。

感染者の皮膚が内出血により黒く変色することから「黒死病」とも呼ばれます。

ペストにより死にゆく人々
ペストにより死にゆく人々 / Credit: ja.wikipedia

ペストの大流行は、過去複数回にわたり世界各地で起こりましたが、中でも14〜17世紀のヨーロッパを襲ったペストは危機的なものでした。

そもそも中世(14〜17世紀)にペストが大流行した原因は、地球の気候変動にあると言われます。

地球は、14〜19世紀まで小氷期に入りました。

ヨーロッパでは、暖炉で燃やす薪が足りなくなり、羊毛の上着を十分に乾かせなくなります。そのせいでペスト菌を媒介するノミが大繁殖し、ヨーロッパ中に広がったのです。

さらに、寒冷化による不毛不作が、人々を飢饉に陥れ、追い討ちをかけました。特に14世紀の大流行では、当時の世界人口4億5000万人の22%にあたる1億人が死亡したと言われています。

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