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Credit: canva
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ペストマスクが不気味な「カラスのくちばし型」になったのはなぜか? (4/4)

2020.08.03 Monday

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マスクが「カラス型」なのはなぜ?

そして最も目を引くのが、「カラス型のペストマスク」です。

医療が現代ほど発達していない当時、ペストは鳥によって感染するものと信じられていました。そのため、マスクを鳥のくちばし型に模すことで、患者の病気を鳥に移し返し、快復に向かわせるという意味があったようです。

ただこれは心理的な理由で、別に実用的な理由もあります。

くちばし型のマスク内には、強い香りを放つアンバーグリス(龍涎香)やミント、バラの花ビラが詰められていました。ペスト医師たちは「感染病は悪臭(悪い空気)で広がる」と考えていたので、強い香りにより病気を遠ざける意味があったのです。

しかし、今日の医学的知識からすると、これも心理的なものに近く、実際の効果はあまりなかったと思われます。

ロルムのペスト服が、どれほどの実用性を持っていたかは不明ですが、ロルム自身は90代まで生きたそうです。しかし、ペスト服を着用した医師の多くがペストの犠牲になり、命を落としました。

その後、ペスト服は死の象徴として一人歩きし、現在ではフィクション作品にも使われたりします。

しかし、マスクの下の医師たちは、新型コロナに立ち向かう現代の医療従事者とと同様に、自らの命を賭して懸命な活動を続けていたのでしょう。

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